ペットと一緒に暮らす毎日を豊かに!人もペットも快適に暮らすためのリノベーションポイント

2023年11月17日

犬や猫を飼っている方にとって、ペットは大切な家族の一員ともいえる存在です。近年は新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増えたこともあり、ペットを飼育する方も増加しました。ペットとの暮らしは楽しくて癒されますが、その反面引っ掻き傷や汚れが目立つようになったりお部屋が手狭に感じられるようになったりと、住まいに関する問題点が浮かび上がってきます。

今回は、ペットと人が互いに快適に暮らせるお家づくりのポイントとリノベーションアイデアを紹介します。是非家づくりの参考にしてみてください。

  • ペットと一緒に暮らす家づくりで考えたいリノベーションポイント

    ペットとの暮らしを考える上で大事にしたいのは、何と言ってもペットの安全性。人が快適と感じる空間がペットにとっては実は危険な場所だったりと、必ずしも暮らしやすいとは限りません。
    まずは、ペットと一緒に暮らす家づくりで考えたいリノベーションポイントについて確認しておきましょう。

    ■滑りにくい床材選び
    一般的に床材として用いられることの多いフローリングは、犬や猫にとってはツルツルとして滑りやすい素材です。滑りやすい床は足腰を痛めてしまう原因となり、誤って転倒してしまった場合は骨折をしてしまう危険性があります。
    大事な家族を守るために、床材は柔らかくて滑りにくいものを選びましょう。例えば、フロアタイルやクッションフロアに床材を貼り替えるだけでもペットのケガや体の負担を軽減することができます。また、ペット対応のフローリングも発売されていますので、フローリングの質感や色味が好きという方はそちらもおすすめです。

    ■傷や汚れへの対策
    ペットを飼っている家庭の悩みとして多く挙げられるのが、壁や床、家具などにできる傷や汚れについてです。ペットが家の中を走り回ったりするので、室内の至る所に傷や汚れがついてしまいます。あらかじめ傷や汚れに強く、掃除がしやすい素材を選ぶとお手入れも簡単です。

    ■臭いへの対策
    ペットを飼っていると必ずと言っていいほど直面する臭い問題。犬や猫の体臭や口臭、排泄物などが主な原因で臭いが発生しています。日頃からシャンプーやブラッシングをして部屋もこまめに掃除をすることの他にも、臭い対策として消臭・脱臭効果のあるクロスに変えることで臭いを軽減してくれます。但し、クロスは犬や猫の爪で傷つきやすいので注意が必要です。
    クロス以外には、タイルや珪藻土、漆喰、エコカラットが吸湿性に優れているのでおすすめです。さらに、換気を行うために換気システムを導入したり窓を増設しても臭い対策をすることができます。


    主なリノベーションポイントについて紹介しました。それ以外にも、「ペットが危険な場所に侵入しないようにゲートを設置したい」「ペットが落ち着けるスペースをつくってあげたい」「ペット用品の収納スペースをつくりたい」などの要望が各家庭によってあるかと思います。ペットと人がお互いストレスなく暮らせるように、どのような住まいがよいか両者の目線にたって検討してみて下さい。
    次に、実際にKULABOで施工を行ったペットと暮らす家のリノベーション事例を紹介します!

  • アイデア①壁の角を無くして、引っ掻き防止!

    前述の通り、ペットを飼っている家庭の悩みとして多く挙げられるのが、壁や床の傷や汚れです。特に猫は爪とぎを行うので、室内の壁や柱がボロボロになってしまいお困りの飼い主様も多いのではないでしょうか。
    猫の爪とぎには、自分の身を守るために古くなった爪を削って鋭い爪を出したり、自分の縄張りを主張するマーキングの意味があります。欠かせない習慣の一つなので完全にやめさせようとすることは難しく、無理にやめさせようとするとストレスに繋がりかねません。猫の爪とぎから壁を守るには、事前に対策を打ちましょう。

    こちらの事例の施主様は、角をつくると飼い猫が引っ掻いてしまうという悩みを以前よりお持ちでした。そのようなお話しから、LDKに繋がる壁の角を丸くして緩やかなアール状に仕上げることを提案。これで壁の傷や汚れの心配を軽減できます。
    さらに、壁の曲線に合わせて猫用通路もアーチ状にすることで空間に統一感をもたせました。飼っている猫ちゃんに合わせてデザインしていきたいという要望にもお応えし、一つ一つの素材感や色味にもこだわった愛猫も含めた家族皆様が過ごしやすいお家が完成しています。

  • アイデア②気軽にペットのシャンプーができる洗面台

    ペットの体を清潔に保つためには、定期的にシャンプーをして綺麗にしてあげる必要があります。ペットをお風呂場で洗おうとすると腰に負担がかかったり、洋服が濡れてしまったりと一苦労です。小型のペットを飼っている方は、ペットが洗えるような洗面台を設置しておくと大変便利です。

    一般的な家庭の洗面台には、洗面ボウルやミラー、水栓、収納など様々な機能が備え付けられています。リノベーションでは、それらの素材選択から設置場所に合わせて設計するまでのすべてを一から行い、オリジナルの洗面台を造ることが出来ます。今回紹介する事例は、飼い犬を洗えるように洗面ボウルは置き型で深さがあるものを選定しました。水栓の先端はホース状に伸びるのでハンドシャワーにもなります。

    洗面ボウルは円形や楕円形、四角型といった様々なデザインがありますが、ペットの足元が不安定にならないよう底が平らな四角型の洗面ボウルを選ぶのが最善です。とは言っても、底が平らだから全く滑らないという訳はないので、シャンプーをする時は滑り止めマットも敷いて対策しましょう。

  • アイデア③キャットウォークで楽しく遊べる場所を!

    猫には、「高い場所が好き」という習性があります。これは、高い場所だと外敵に見つかりにくく、獲物が見つけやすいという野生の本能のなごりからのようです。そのためよく動き回る飼い猫が退屈しないように、最近ではリノベーションを機にキャットウォークをつくる人が増えてきています。

    こちらの事例は、リビング上部にキャットウォークを大胆に張り巡らせました。リビングにある造作ワークスペースの脇に階段をつくり、そこから天井付近にキャットウォークを設置。リビングをぐるっと一周できるように設計しています。愛猫の様子を見守りながら、ゆっくりくつろげるLDKです。

    キャットウォークを施工する際は、猫が滑って落ちてしまわないよう床材選びを工夫したり、滑り止めを設置しておくと安心です。またキャットウォークは多くの場合、一枚板を壁に取り付けて作成します。そうすると人の通行を妨げたり、小さな子供が誤ってキャットウォークにのぼったりぶつかって怪我をしてしまう恐れがあるので、生活動線を考えて設置することが大切です。

    室内飼いをすることが圧倒的に多い猫は、ストレスが溜まったり運動不足になることもありますが、猫用ステップやキャットウォーク、キャットタワーがあれば毎日走り回って楽しく暮らしてくれるでしょう。

このコラムの執筆者

KULABOのスタッフ

石原 未悠

Contentsコンテンツ