ウチ、ガス乾燥機いれられますか?

2023年11月17日

「リノベーションをしよう!」そう思うきっかけは様々ですが、水回りをはじめとした住宅設備関連のご不満を抱かれている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
「掃除がしやすいものがいい!」「家事時間を短縮したい!」「楽に家事をしたい!」「もっと高性能な設備にグレードアップしたい!」など、現在のお住まいに対して考え始めると思いは尽きないものです。

その中でも家事の時短に繋がることから、リノベーションを機に我が家にもガス乾燥機を導入しようとお考えの方は少なくないでしょう。今回はガス乾燥機を導入する際の検討事項を、リノベーション現場を数多く経験してきたKULABO目線でご紹介いたします。

  • ガス乾燥機とは?

    乾燥機と一口に言ってもいくつかの種類に分けられ、ガスを熱源として風を温め、その風で乾燥させるタイプの乾燥機をガス乾燥機と呼んでいます。コインランドリーで稼働している乾燥機の多くが、このガス乾燥機です。

    それでは、このガス乾燥機を導入する魅力とは何でしょうか。
    ▶メリット
    1.ランニングコストの低さ
    2.乾燥時間の短さ
    3.天候や季節を気にしなくてよい
    4.花粉などのアレルギー物質や大気汚染物質の対策が出来る

    多くの方が、上記4つの点においてガス乾燥機に他ならぬ魅力を感じているようです。

    反対に、ガス乾燥機導入にあたってデメリットも存在します。
    ▶デメリット
    1.設置するスペースが必要
    2.設置場所に制限がある
    3.導入時、費用と手間がかかる
    4.電気とガスのどちらも必要

    主にこれらが注意点と言われていますが、導入時に今のお住まいとの相性が良いのか確認することが重要です。

  • ガス乾燥機を付けるときに必要な工事って何?

    実際に、ガス乾燥機の導入を前向きに検討し始めたとします。では、導入時に必要な工事とは具体的にどういった工事でしょうか。

    ▶必要な工事内容
    1.ガス乾燥機を乗せる専用の架台の設置
    リノベーション工事で間取りを計画する際は、ガス乾燥機+架台が入るスペースを検討しながらデザイナーと設計を進めていく必要があります。

    2.専用の電源の確保
    ご自宅に引き込まれている電気容量で問題なくガス乾燥機が稼働するか検討をします。ガス乾燥機に限ったことではありませんが、多くの電力を使う製品を導入しても、使う度にブレーカーが落ちてしまっては生活に支障をきたしてしまう恐れも。ゆえに、電気配線の調整や電気容量の変更、幹線引き込み工事などが関わってくる可能性があります。

    3.ガス配線の工事
    ガス乾燥機ですから当然"ガス"が必要になります。ご自宅がオール電化住宅なのか、ガス乾燥機の傍までガス栓を持ってこられるのか、間取りをどのように変更するのか、現在の状況等によってどのような工事が必要かは変わります。

    4.屋内設置の場合は排気口が必要
    ガス乾燥機からは高温・多湿の排気が発生するため、ガス乾燥機から屋外排気のためのルートを確保しなければなりません。
    排気口の位置で近隣にお住まいの方とトラブルにならないよう、慎重に計画することも忘れないようにしましょう。


    どのような工事をしなければならないのか判断するには専門的な知識が必要不可欠になりますので、デザイナーとの綿密な打ち合わせ、計画が必須です。KULABOでは、皆様の最初の窓口となるディレクターや寸法など詳細な決定をするデザイナー、工事現場を管理する施工管理が検討を重ね、お客様にとってぴったりのリノベーションを提案いたします。

  • 戸建の場合とマンションの場合で違いはあるの?

    ここまでは、具体的に必要な工事の内容をご紹介してきました。しかしながら、今お住まいのご自宅でこれらの工事を実施することは可能なのでしょうか。

    結論、戸建なのかマンションなのかでその難易度は大きく変わります。

    ▶戸建の場合
    戸建の場合、その土地、その建物を所有しているのであれば、比較的ガス乾燥機導入への道筋は明確です。
    十分にガスや電気が引き込まれていれば、床下や天井裏を使って配線を計画しやすい傾向にあります。排気口や屋外に排気することを考慮した間取り計画も必要ですが、戸建であれば外壁に穴を開けて新たに排気口をつくることも考えられます。

    ▶マンションの場合
    一方マンションの場合、戸建では簡単だった電気やガス、排気のための工事が難しいことがほとんどです。というのも、マンションで工事可能なのは「専有部」にあたる部分、主に室内に限られるからです。したがって、今回のような「共用部」にあたる外壁の工事等は、基本的には管理会社からNGと言われてしまいます。
    とは言え、まったくマンションでガス乾燥機の導入が不可能というわけではありません。専用の電源を確保するために回路を変更したり、分電盤を交換するなどの工事によりガス乾燥機が導入可能になる場合があります。

    1.ベランダに設置
    ガス栓や電源さえ持ってこれるのであれば設置は不可能ではありません。但し、ベランダは雨風にさらされる可能性があるので機器の劣化や不具合に繋がる場合があります。また、ベランダにはエアコンの室外機や給湯器などが設置されていることも多く、十分なスペースを確保することも難しいかもしれません。
    ベランダも共用部にあたるため、ガス乾燥機を設置する際は管理会社の許可や避難経路の確保、ガス乾燥機の駆動音による騒音も考慮することが重要です。

    2.屋内に設置しエアコン用スリーブを活用する
    屋外に設置するリスクを鑑みて、屋内に設置できる方法を考えるとします。マンションの外壁に穴を新設できないため、余分にエアコン用のスリーブがあれば、これを活用する手段が思いつきます。しかし、これにはエアコンスリーブが乾燥機よりも高い位置にあり、勾配や配管のために高さが確保されているという基準を満たしている必要があります。また、エアコンスリーブとガス乾燥機の排気口の径が合わないことが多く、エアコンスリーブの方が小さいことが大半です。

    3.屋内に設置し窓を利用する
    窓にアタッチメントを付け、排気するという方法です。この場合、ガス乾燥機が窓のある部屋に設置されなければなりません。窓の格子との干渉や防犯上のリスク、マンションの共用部にあたるかどうかも検討する必要があるでしょう。

    4.屋内に設置して元々の換気用スリーブを活用する
    元々のスリーブを活用し、径の制限をクリアするべく、換気用スリーブを活用するという方法があります。
    例えば、既存の状態がトイレ(一室換気)、浴室+洗面室(二室換気)の場合、既存のスリーブは2つです。この時、キッチン用の排気は別経路になります。この換気用スリーブを、トイレ+浴室+洗面室(三室換気)に経路をまとめることで、スリーブの空きをつくることが可能です。この空きを利用し、ガス乾燥機用の排気口とします。


    様々な方法をご紹介しましたが、戸建とマンションで大きく制限が異なることがお分かりいただけたでしょうか。
    リノベーションは既存の住宅を使うという前提があります。お住まいごとに状況が異なるので、どのような設置方法があるのかはケースバイケースです。リノベーション予定のお住まいがこうした工事に向いているのか、工事可能なのか、他に良い方法はないのか、KULABOでは一緒に考えていくことができます。

  • さいごに

    今回はガス乾燥機を一例に取り上げましたが、KULABOではリノベーションによってお客様が理想とする暮らしが叶えられるか、希望の製品を導入できるのか一緒に検討しながらお家づくりを行っていきます。
    通常、初期の段階でリノベーション予定のお住まいにお邪魔させていただき、現地調査を行うことでお客様のご要望を叶えられそうか確認いたします。その場では判断が付きにくい場合も、数々のリノベーションを経験したスタッフと検討したり、詳細な図面を取得することでより良い提案を検討します。
    リノベーションの実施段階においても、より綿密にお客様とイメージを共有できるようにたくさん図面をかき、詳細を熟考していきます。

    KULABOはライフスタイルを反映させたデザインと暮らしやすさを考慮した提案を得意としております。理想の住まいは人それぞれですので、お客様に合わせて快適なお住まいの提案をさせていただきます。最後までお読みいただいたことを機に、今までは夢だと思っていたことがあれば前向きに検討してみてはいかがでしょうか。お住まいに関してお悩み事がございましたら、是非一度KULABOにご相談くださいませ。

このコラムの執筆者

KULABOのスタッフ

菅野 雅之

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