水回りの移動はいくら費用がかかる?リノベのプロが解説!
2023年01月16日
2024年11月18日
住宅において無くてはならないのが、水回りと言われる浴室・キッチン・トイレ・洗面などの住宅設備。リノベーションにおいて、水回りの配置計画は家事動線を含む使い勝手に大きく影響してきます。
しかし、水回りを大きく動かすとお金が掛かってしまい、予算を圧迫するのではないかと考える方も多いでしょう。そこで今回のコラムでは、間取り変更や水回り移動を伴うリノベーション工事の予算をどのように考えなければならないかプロの目線から解説します。リノベーションをご検討中の方は、是非ご確認ください。
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そもそも水回りの移動は可能なの?
ライフスタイルの変化だったり使い勝手が悪く家事のしにくさを感じる場合、水回りが使いやすい場所に移動できたらいいですよね。まず大前提として、水回りを大きく動かすことは可能なのでしょうか。
答えとしては、排水・給水給湯・排気のルートがしっかりと確保出来れば移設可能です!
しかし、次のようなケースは水回りの移動が難しいことがあります。
▶水回りの移設が難しいケース
例1)配管の水勾配が取れない状況での移設
例2)排気ダクトが出口までのルートに梁を跨いでしまい排気効率が著しく悪くなる
戸建であれば比較的移動の自由度が高いですが、マンションは管理規約により水回りの移動を禁止していたり配管の移動に様々な制約がかかることがあります。
水回りが移動できるかどうかは床下の排水管の状況が判断のポイントです。マンションは外部からの給排水のために最上階から1階まで配管を貫通させる配置となるのが一般的で、この配管から各専有部分に配管を繋げて給排水をしています。この配管はPS(パイプスペース)とよばれ、共用部分にあたるので位置を移動することはできません。移動できるのは各専有部分に繋げられた配管で、スムーズに給排水するためには排水管に勾配をつける必要があります。床下に勾配をつけれるだけのスペースや高さが無い場合は、PSから離れた位置への水回り移動は困難ということがあります。
特に、マンションにおいてトイレの配置は特別動かしにくいとされています。トイレはキッチンやお風呂とは違って汚水が流れるので雑排水と比べて詰まりが起こりやすく、できるだけPSに近い場所で計画する必要があります。 -
どうして水回りの移動には費用がかかるの?
そして本題になりますが、リノベーションの計画可能な配置で間取り変更をした場合に、「水回りを移動するのにこんなにも金額がかかるの?」と驚く方もいるかと思います。果たしてどのような事が理由で費用がかかってしまうのでしょうか。
まずは「間取り変更しない工事」と「間取り変更を伴う工事」の工数を比較してみていきます。
▶間取り変更しない工事の工数
1.現状の解体(クロス剥がし、既存の床板の上に新しい床板を重ね張りしない場合は床捲り、建具/住宅設備等の解体)
2.建具/住宅設備の設置
3.仕上げ工事(クロス/塗装/左官/床 等)
▶間取り変更を伴う工事の工数
1.現状の解体(クロス剥がし、既存の床板の上に新しい床板を重ね張りしない場合は床捲り、建具/住宅設備等の解体)
2.現状の下地の解体
3.配管関連・電気関連の移設工事
4.新しい下地の作成
5.建具/住宅設備の設置
6.仕上げ工事(クロス/塗装/左官/床 等)
上記から、間取り変更を伴う工事は2~4番目の3つの作業工程が増えていることが分かります。
次に、費用の比較をしてみます。
《マンション80㎡をフルリフォーム・フルリノベーションする場合を想定》
▶間取り変更しない工事の費用相場
約600~800万円
▶間取り変更を伴う工事の費用相場
約900~1,200万円
つまり、間取り変更を伴う工事の3工程の増加分として約300万円程度かかってきます。ここが間取り変更が費用がかかると言われている大きな要因となります。
※今回ご紹介した例はマンション80㎡の場合のため、施工面積や物件により金額の変動がございます。
間取り変更をいずれにせよ行うという前提の中で、水回りの場所による工事費用としては配管の延長する費用のみになりますので、一般的には10~30万円程度に留まることが多いです。
すなわち水回りを大きく動かすと、結果的に間取り変更をすることが多いので費用がかかってしまうということになります。 -
まとめ
水回りの住宅設備は、15~20年ぐらい経過したらリフォームリノベーションするタイミングであると言われています。「せっかくリノベーションするのならもっと使い勝手がいいように水回りの位置も変更したい!」と検討されている方は、事前に経験豊富なリフォーム会社に相談し、調査してもらうことをおすすめします。
今回ご紹介した内容を踏まえ、KULABOではもともとの水回りの位置や間取りを極力活かしながら、新たな動線や使い勝手を生み出せるように、細かい寸法での提案を心がけています。例えば、通常通路幅は800㎜程欲しいというところを、パントリーや家事動線など使う用途が限られている場合は550㎜で計画しても実は不便ではなかったりするのです。そういった沢山の工夫をお客様に合わせて考え提案することで、予算を抑えつつも素晴らしい生活環境を作れたらと思っております。
物件ごとに違いが大きい内容になりますので、今回紹介した内容はあくまでも参考となります。
「どこまで間取り変更が可能なの?」「どれぐらい費用がかかるの?」とお悩みをお持ちの方!KULABOでは無料で現地調査の依頼を受け付けておりますので、お気軽にお問合せくださいませ。
このコラムの執筆者
森居 寛幸