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2025年05月12日
2025年05月20日
間取りを自由に変えられるのがリノベーションの魅力ですが、実は「構造上どうしても抜けない柱」が立ちはだかるケースも少なくありません。
「邪魔になりそう」、「見た目が気になる」と感じる方も多いですが、実はこの「抜けない柱」も工夫次第でおしゃれなアクセントに変えられます。
今回は、そんな抜けない柱についての構造の基礎知識と活用デザインをKULABOの事例付きで紹介します!
ぜひ参考にしてみてください。
日本の木造住宅は主に木造軸組工法で建てられています。木造軸組工法で建てられた住宅には、「管柱」(くだばしら)、「間柱」(まばしら)、「通し柱」(とおしばしら)の3つの柱があります。それぞれに柱には構造上の役割があり、抜けるかどうかはこの役割により異なります。
抜ける可能性のある柱は、「一部の管柱」と「間柱」です。
一部の管柱・・・桁などの横架材で分断されて、上下につながっていない柱のことです。管柱の上にある梁や柱を補強すれば柱を抜くことができる場合もありますが、すべての管柱が抜けるわけではないことを覚えておきましょう。
間柱・・・壁に張る合板や石膏ボードなどを支えるための柱です。基本的には構造部材ではないので抜いても構造の強度や耐震性には影響しません。
抜けない柱は「通し柱」と「管柱」に分けられます。
管柱・・・前述の通り、一部の管柱は補強をすることで抜けるケースがあります。しかし床や壁などを支える役割があるため、基本的には抜けない柱がほとんどです。
通し柱・・・2階建て以上の木造建築で、土台から軒まで一本で通っている柱のことです。構造的に重要な柱であり、建物の隅や重要な箇所に設置されます。主に建物の四隅に位置しているものが多いですが、他の位置に通し柱が置かれることもあります。この柱を抜いてしまうと耐震性が大幅に低下する恐れがあるため、抜くことは不可能です。
リノベーションで間取りを大きく変更したい場合でも、構造上どうしても取り除けない柱があることで壁をなくしたい・空間を広げたいといった計画に制限が生まれる場合があります。このように間取りの自由度には一部制限がかかることもありますが、設計の工夫次第で「デメリット」を「個性」に変えることが可能です。
ここでは抜けない柱の活用方法を以下に3つご紹介します。
抜けない柱は、隠すよりも「見せる」工夫でインテリアの主役にするのがおすすめです。柱だけ装飾的なペイントを施したり、タイルを貼るといった方法もあります。柱に木材やレンガ、金属など異なる素材を使用することで、その素材によって温かみやモダンさ、工業的な雰囲気など、さまざまなテーマを持たせることが可能です。
猫を飼っている家庭では、どうしても抜けない柱をキャットウォークやキャットタワーに活用することも一つの方法です。ペットにとっては遊びや休憩を楽しむ場になり、空間としてはインテリアの一部としての魅力にもなります。
例えば天井まで伸びる柱を利用して、キャットタワーを作ったり、柱に部材を取り付けて猫が喜ぶデザインにしたりすることができます。
あえて抜けない柱を起点にして設計をすれば、存在が気になる柱があっても空間に合ったオリジナルの収納や家具を作ることができます。たとえば、既存の柱と新規の柱を合わせて棚を作り、本や観葉植物を飾ると「見せる」収納になります。また、緩やかに空間を仕切る役割も担ってくれます。このように造作だからこそ、「空間にぴったり収まること」と「おしゃれ」を両立できるのが魅力です。
間取りの変更を検討している場合、どの柱が抜けてどの柱が抜けないか事前に把握しておく必要があります。そのためにもまずは図面の確認をしましょう。中古住宅の図面は、基本的に購入時に売主から提供されます。図面には家の柱の配置が示され、柱の種類によって異なる記号が使われます。そのためこの図面を見れば「抜ける柱」と「抜けない柱」は見分けることができます。
通し柱・・・ 「×」を「○」で囲んだ記号が記載(抜けない)
管柱・・・ 「×」が記載(基本抜けない)
間柱・・・ 「/」が記載(抜ける)
図面があっても耐震面や構造面から要検討が必要な場合もあります。どの柱が抜けるか正確に知りたい場合はリノベーション会社に相談して確認してもらうといいでしょう。
図面によっては古くて記号の記載がされていなったり図面自体がない場合があります。そんな時はリノベーション会社にいる専門家に依頼するのがおすすめです。
会社によっては現地確認の上実測し、現況の図面を作成してくれるリノベーション会社もあります。また図面の作成だけでなく専門的な知識を活かして、どの柱を撤去できるかを正確に判断してくれます。
古い物件は特に現状の図面と異なることがあるので専門家に依頼することが重要です。
間取り変更の自由度を妨げる「抜けない柱」も工夫次第で住まいの魅力を引き立てる存在になります。ここでは実際のリノベーション事例をもとに、抜けない柱をおしゃれに生かすヒントをご紹介します。
リノベーション費用:約890万円
施工面積:50㎡
築年数:築9年
構造上撤去出来ない柱や筋交いは現しにし、意匠性をもたせています。さらに柱を黄色く塗装したことによりこの家のシンボル的存在になっています。
リノベーション費用:約870万円
施工面積:105㎡
築年数:築25年
建物の構造上どうしても抜けない柱をそのまま残し、天井や壁の色とあわせて白く塗装。デザインの一部として組み込んでいます。また白を基調とした空間に、映える黒のブレースを取り付けることにより、視線が抜け、LDKに開放感をもたらします。
リノベーション費用:約3,530万円
施工面積:184.7㎡
築年数:築20年
工事期間:約3ヶ月半
施工面積:139.16㎡
築年数:築23年
どちらの事例も構造上どうしても抜けない柱や筋交いは、塗装して剥き出しにすることで空間のデザインとして魅せています。
工事期間:約4ヶ月
施工面積:120㎡
家族構成:ご夫婦+お子様3人
リノベーション費用:約1,490万円
施工面積:118.02㎡
工事期間:約3ヶ月半
1つ目の事例では靴箱に、2つ目の事例ではテレビボードの横に。ちょっとした棚に「抜けない柱」が使われており、インテリアのポイントにもなっています。
リノベーション費用:約655万円
施工面積:68㎡
工事期間:約3ヶ月
既存の柱と新規の化粧柱を合わせてルーバーにし、空間のデザインに取り入れている事例です。杉をあえて粗いまま使用していたりと、細部の素材までこだわって完成したLDKだからこそ、それぞれの素材が生き生きと調和しています。
※ルーバー・・・細長い羽板を一定の間隔で平行に並べた建築用部材のこと。(写真右側)
リノベーション費用:約1,700万円
施工面積:118㎡
工事期間:約3ヶ月
LDKに構造的に残ってしまう柱を活用した事例です。柱と筋交いを床やテーブルの木色と合わせることで抜け間をだしつつも空間的に馴染むような計画になっています。さらに、その柱まわりを活かしてワークスペースを配置。視線をさりげなく遮りつつ、家族の気配を感じられる心地良い空間になりました。
リノベーション費用:約1,440万円
施工面積:73㎡
築年数:築37年
造作テーブルに、構造上とることができない2本の柱に合わせてあえてデザイン的な面から1本柱を追加している事例です。構造上抜けない柱とデザイン柱の間は壁にしてスイッチ等をまとめるとともに、タイルを貼って部屋のアクセントになるようにしています。
リノベーション費用:約850万円
施工面積:51.4㎡
築年数:築22年
家事スペースや客間としても使える機能的な小上がりスペースに構造上とることができない柱を設けた事例です。L字が重なる部分でできるロールスクリーンの隙間を防ぐために柱があり、デザイン性と機能性をどちらも確保できています。
リノベーション費用:約950万円
施工面積:22.90㎡
工事期間:約2ヶ月
築年数:築24年
お施主様が猫を飼っている関係で猫でもLDKで楽しめる工夫を凝らした事例です。既存を生かした柱には麻紐を巻き、リビングのアクセントとなるのと同時に猫が爪とぎが行えるようなデザインにしています。
リノベーション費用:約1,630万円
施工面積:137.17㎡
工事期間:約4ヶ月
2階主寝室の猫開口を介して行き来できる丸太梁がキャットタワーとして役立っている事例です。猫通路は、扉を開け閉めせずに猫が自由に動けるため、活動的な姿を楽しむことができる造りになっています。
今回ご紹介したように間取り変更の妨げになりがちな「抜けない柱」は、工夫次第で「空間の魅力」に変えることができます。
収納に取り込んだり、飾り棚として「見せる」デザインにしたりと、活用方法はさまざまです。
KULABOでは、お客様のご要望に合わせた間取り・デザインをご提案しております。
「柱があるから無理かも…」と諦める前に、まずはお気軽にご相談ください。
及川 雄一朗