【戸建てリノベ】代表的な4つの外壁材の特徴を徹底比較!
2023年09月22日
2024年11月30日
”リノベーション”について検索していると、おしゃれな内装の事例は多々出てきますよね。しかし、戸建住宅の場合は、当然外壁も工事の対象になります。
そこで今回は、外壁にフォーカスを当てて、様々な外壁材の種類やリノベーション方法をご紹介していきます。
戸建住宅のリノベーションを検討されている方は、是非ご確認ください!
CONTENTS
-
外壁の役割とは?
住宅を見たとき真っ先に目に入るのが外壁で、家の印象を大きく変えます。
外壁はプライバシー保護の観点はもちろんのこと、主に雨風や紫外線などの外的要因から人々の暮らしを守る役割を果たします。快適な暮らしを送るうえで最も重要な部位といっても過言ではなく、外的要因から住まいを守るためには防水性・防火性・耐震性・耐久性・防音性といった性能を求められます。
外壁は外的要因に晒されることが多いことから、ダメージを蓄積しやすいです。ひび割れが起きたり劣化が進行した状態のまま放置しておくと、住宅の基礎部分まで腐食してしまう可能性があります。住宅の性能や美観を保つためには、定期的なメンテナンスが必要となります。
それでは次に、住宅の外壁で主に採用される外壁材の種類をご紹介します。 -
外壁材①国内シェアNO.1!「サイディング」
サイディングとは、セメントや繊維質を板状に形成したパネルです。
デザインが豊富で、価格・施工性に優れているため、日本の木造住宅の約7~8割がサイディングの外壁を採用しています。もちろんリフォーム・リノベーションをする際も多く使われる外壁材です。
◎価格が安い
一番の特徴は、何と言っても価格の安さ。サイディングボードは工場で大量生産されるので、品質にばらつきもなく費用を安く抑えることができます。
◎工期が短い
壁の広さや建物骨格に合わせてサイデイングボードをカットし貼り付けていきます。難易度も低いので施工もしやすく、その分工期も短くなります。
[目安工事期間]
張り替え工事(既存の外壁材をはがし、新しい外壁材を貼り付ける工法):約10~20日
カバー工法(既存の外壁材の上から新しい外壁材を貼り付ける工法):約1~2週間
◎デザイン性が豊富
サイディングは色・デザインともにバリエーションが豊富です。レンガや木、タイルなど様々な柄から好みのデザインを選ぶことができます。
△防水性が低い
サイディングボードに防水機能は無く、表面を塗装して防水性を維持しています。したがって、雨風によって塗装が剥がれると外壁材に雨が染み込み、ひび割れや変形を起こす可能性があります。
またサイディング同士を繋ぐコーキングが劣化すると隙間ができ、雨が建物内に浸水してしまうことがあります。
△蓄熱性が高い
サイディングは熱が溜まりやすく、特に夏場は表面温度が高くなります。外壁が高温になると室温も上昇しやすいです。
-
外壁材②軽量で耐久性が高い!「ガルバリウム鋼板」
ガルバリウム鋼板は、アメリカで開発されたアルミニウム・亜鉛・シリコンで構成された金属素材で、金属系サイディングの一種です。工業チックなデザインやモダンな雰囲気とマッチし、カッコいい外観に仕上がります。
◎軽量で耐震性が高い
ガルバリウム鋼板は板自体が約1~3㎜と非常に薄いので、他の外壁材と比較しても軽さがあります。軽量であると、地震が発生したときに家にかかる負担も少ないため、耐震性にも優れています。
◎防水性が高い
ガルバニウム鋼板は吸水性が無く、サイデイングと違い1枚1枚重ねて施工するため、板と板の間に隙間が生まれることがほとんどなく雨漏りの心配も少ないです。
◎錆びにくい
全く錆びないという訳ではありませんが、トタンやアルミなどの他の金属系外壁材に比べ、錆びにくい特徴があります。
△傷つきやすい
他の外壁材と比較しても何倍も薄いガルバニウム鋼板は、衝撃に弱く凹みや傷がつきやすいデメリットがあります。傷がつくと錆の原因になり、そのまま放置してしまうと劣化が進み住宅の寿命にも影響します。
△断熱性が低い
ガルバリウム鋼板は熱伝導率の高い素材で、断熱性に欠けます。それを補うためには断熱材とセットの商品を選ぶと、断熱性能の向上ができます。
-
外壁材③自然素材の風合いが魅力!「左官塗り壁」
塗り壁にも種類はたくさんありますが、今回は左官工事による塗り壁材の特徴を紹介します。
質感や家全体の一体感を演出しやすく、ナチュラルな雰囲気から欧風な雰囲気まで、幅広いデザインとマッチします。
◎独特な風合いを楽しめる
塗り壁は職人が手作業で施工するので、全く同じ仕上がりになることがありません。コテの種類や使い方次第で多種多様な仕上げをすることも可能で、塗り壁特有の風合いや質感を楽しむことができます。
◎つなぎ目がない
塗り壁仕上げはサイディングのようにつなぎ目ができません。見栄えが良く、一体感がある美しい仕上がりになります。
◎防火性が高い
塗り壁の素材は、土や砂など燃えにくい素材が材料として使用されているので、防火性に非常に優れています。
△価格が高い
先述の通り、塗り壁はサイディングや板金系の外壁材と違い、工場生産を行うことができないので現地で職人の手作業で施工します。手間と時間、乾燥させる時間もかかるので工期が長くなり、その分だけ人件費も発生します。ゆえに単価が高くなる傾向にあります。
△ひび割れが起こりやすい
自然素材の塗り壁は水分量の減少や伸縮・膨張が原因で、地震などの強い揺れが生じたときひび割れをしやすいです。また、表面に凹凸が多くなるので、汚れも目立ちやすくなります。
-
外壁材④自然の温かみを感じる!「木材」
本物の木材を外壁として使用することもあります。インパクトある雰囲気を出すことができ、唯一無二の家をつくるにはもってこいの素材です。
◎デザイン性が高い
本物の木材は、サイディングなどの工業製品では表現しきれない自然の温かみや風合いがあります。外壁の一部にアクセントとして採用するだけでも、よりお洒落な空間に仕上げてくれます。「高級感のある外観にしたい!」という方にはおすすめです。
◎経年変化を楽しめる
時間の経過とともに、木材の色は変化し続けます。木材ならではの経年変化を楽しめるのが最大の魅力です。
△劣化が早い
木材は劣化が早く、劣化が進行すると表面塗装が剝がれたり、カビの発生、ひび割れ・反りなどの形状変化が起きます。外壁を長持ちさせるためには、劣化対策と定期的なメンテナンスが必要になります。
△価格が高い
木材を外壁で使用する場合、職人が1枚1枚手作業で貼っていきます。施工技術も必要になるのでそれだけ施工費も割高になり、サイデイングの約2倍ほどの費用がかかります。
-
外壁リノベーションの施工方法
外壁材に様々な種類があるように、実はリノベーションの場合は外壁の施工方法もいくつか種類があります!家の状態や予算に合わせて、いくつかの施工方法から検討することが可能です。
☐塗り替え
最も多い外壁の施工方法です。上記で、日本住宅の外壁はほとんどサイディングが使用されているとお伝えしましたが、そのサイディングのメンテナンス方法として最も安価かつ多く行われているのが、コーキングの打ち替えと塗り替えです。
好きな色や柄に家の中でも塗り分けて塗装することが可能ですが、質感や雰囲気は単一的になってしまうことが多いです。
☐貼り替え
外壁材ごとめくってしまい、新しい外壁材へと張り替える方法です。基本的には好きな外壁材に変更することが可能ですが、コストは最もかかってくる工法となります。
☐上貼り
実は、もともとの外壁を解体せずに上から新しい外壁層を施工することが可能です。解体にかかるコストを抑えつつ、もともとの外壁より外側に新たな外壁層をつくるため、商品によってはさらなる断熱性の向上を図れます。リノベーションだとよくご提案させていただく工法となります。
☐上塗り
こちらも上貼りと同様に、もともとの外壁は壊さずその上に下地を施工し、左官による外壁塗り材を施工する方法です。下地として断熱材を利用することも可能なので、左官塗り壁の雰囲気がお好きな方かつコストを抑えたい方にはおすすめの工法です!
-
最後に
リノベーションでは、外壁の種類・外壁の施工方法が選べるため、ご予算に合った様々なご提案ができます。
施工範囲も選べるため、「道路に面した正面部分は木の外壁の上貼りでアクセントを加え、その他の部分は塗装仕上げにしてトータルのコストを抑えたい!」なんてことも出来るのです。
家を守る外壁は、劣化があると必ずメンテナンスをしなければなりません。そんな時は、単純な塗り替えや貼り替えだけではなく、様々な外壁材や施工方法を複合的に検討してみてはいかがでしょうか。
KULABOでは、お客様にぴったりのリノベーションをモットーに、ご予算に応じて様々なアイデアを複合的にご提案いたします。お気軽にご相談ください。
このコラムの執筆者
原 佑帆