自然素材の家へリノベ|メリット・デメリットとお手入れ方法を総まとめ
2024年08月24日
2024年11月12日
小さなお子様から高齢の方まで安全に、かつ健康に暮らせると注目を集めている「自然素材」。リノベーションでも多くの方が採用を検討されています。
機能性や耐久性など、さまざまなメリットがある一方で、注意しなければならない点もあります。
今回のコラムでは、自然素材のメリット・デメリットをはじめ、種類やお手入れ方法など幅広くご紹介いたします。
CONTENTS
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自然素材のメリットとデメリット
どんな素材にもメリットとデメリットはつきもの。取り入れる前にきちんと確認しましょう。
メリット◇耐火性に優れている
漆喰や珪藻土といった壁材は耐火性に優れており、万が一隣家が火事になった場合も延焼を防いでくれます。また、接着材を使用していないため、もし燃えてしまっても有害物質を発生させないという効果もあります。
◇機能性に優れている
調湿機能や消臭効果が高いため、加湿器や除湿器などの家電を揃える必要がありません。たとえば、珪藻土の表面には小さな穴が無数に開いており、空気中の水分や臭いを吸着してくれる効果があります。
◇快適な住環境
調湿機能により、夏は湿気を吸着し、冬は湿気を放出してくれます。夏はカラッとした空気になり、床材は冬になれば温かみを帯びるため1年を通じて快適に生活することができます。
デメリット◆費用が割高になる
効率よく大量生産できないため、流通が少なく割高になりがちです。また、塗り壁など手間がかかる施工はコストが上がってしまうケースもあります。
◆劣化によるひび割れ・変形が目立ちやすい
漆喰や珪藻土は亀裂が入りやすく、職人の腕によっても劣化のスピードが異なります。また、地震大国である日本では、地震によるヒビの発生や変形も考慮に入れておく必要があります。
◆傷が生じやすい
合板よりも耐久性が低いため、傷がつきやすく、補修も難しいと言われています。軽微や経年劣化なら、自然素材の味わいの一つとして楽しんでみてはいかがでしょうか。
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リノベーションでよく使われる自然素材の種類
ここではリノベーションでよく使用される自然素材をご紹介いたします。それぞれ特徴があるので、是非チェックしてみましょう。
無垢材
自然木を切り出したままの状態で、加工していない木材のことを無垢材と言います。接着剤を使用していないため体に優しく、フローリング材として取り入れれば素足で木のぬくもりを感じられます。
漆喰
水酸化カルシウムを主原料とした壁材を漆喰と言います。年月が経つほど耐久性が増すため、耐久年数は100年とも言われています。また、耐火性も高く、火災が発生しても有害物質を出さない環境にやさしい素材です。
珪藻土
植物プランクトンの一種である珪藻が化石になり、それが積み重なって固くなったものを珪藻土と言います。珪藻の殻には小さな穴が無数に開いており、水分や空気の吸収・排出を促すため、調湿や断熱、吸着性があります。
天然リノリウム
アマニ油や石灰岩、松やになどを使用している天然リノリウム。表面は滑らかで柔らかな質感であり、自然素材らしい温かみを感じられます。抗菌作用が高く、且つ燃えにくい素材のため、学校や病院などの施設でも使用されています。
畳
畳で使われている「いぐさ」の内部にはたくさんの気孔があります。スポンジ状になっているため空気を含みやすく、冬でも保温性や断熱性にも優れた素材です。
石材
独特の風合いや質感が楽しめる石材。建物の内外部に取り入れれば高級感を演出できます。また、石材は耐久性、耐火性、耐熱性にも優れているため、デザインを重視しつつ頑丈な住まいにしたい方には特におすすめです。
和紙
柔らかな風合いが特徴の和紙。和紙の繊維が日の光や照明の明かりなどを優しく乱反射させるため、家の中がリラックスできる空間になります。また、植物素材のためシックハウス症候群などのリスクが低い特徴があります。
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自然素材の費用相場
さきほどご紹介した自然素材の相場価格を一覧にまとめました。素材の種類や施工面積などによって金額は変動しますので、あくまでも相場での金額になります。是非ご参考にしてみてください。
無垢材
3000円~/㎡ ※材木(国産針葉樹、外国産広葉樹)により金額は変動します。
珪藻土
1,000~3,000円/㎡
漆喰
4,000~7,200円/㎡
天然リノリウム
3,000~10,000円/㎡
石材
20,000~30,000円/㎡
和紙
800円~2,500円/㎡
畳
7,500円〜20,000円/畳
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自然素材のお手入れ方法
無垢材
定期的なお手入れを続けることで、独特の風合いや経年劣化を長く楽しめるのが無垢材の魅力です。塗装の状態によってお手入れ方法が異なるので、注意しましょう。
<無塗装>
週数回:乾拭き・掃除機
月一回:隅々掃除
<オイル塗装>
週数回:乾拭き・掃除機
月一回:隅々掃除、半乾拭き
年一回:ワックスがけ
<ウレタン塗装>
週数回:乾拭き・掃除機
月一回:半乾拭き
珪藻土
普段のお手入れはホコリを落とす程度で十分。毛の柔らかいホウキやハタキで優しく汚れを落としましょう。もしシミがついてしまったら、軽い汚れなら消しゴムやサンドペーパーで、深くしみ込んでいる場合はタッチアップがおすすめです。
※珪藻土の水拭きはNG。水分をしみ込んでシミになってしまうことがあります。
漆喰
時々ホコリを払う程度で綺麗を保つことができます。もし手垢などで汚れてしまったら、消しゴムやメラミンスポンジで軽くこすることで、汚れを落とすことができます。
天然リノリウム
日常のお手入れは乾拭きで十分です。もし洗剤を使用するときは中性洗剤を使用しましょう。長年使って表面がすり減ってきた場合は、中性のワックスをかけることで水をはじくようになります。
和紙
和紙はキズや擦れに弱く、水を吸い込みやすい欠点があります。汚れがついてしまった時はすぐに乾いた布やティッシュペーパーなどで軽くポンポンとたたくように拭き取りましょう。手垢や小さな汚れは消しゴムで軽くこすると落ちる場合もあります。
畳
畳の目に沿ってホウキや掃除機でゴミやホコリを取り除いたら、固く絞った雑巾で水拭きし、乾拭きで水分をふき取りましょう。重曹や強力な薬剤、粘着シートタイプのクリーナーは使用しないようにしましょう。
その他のお手入れ方法についてはHPに掲載されています。是非ご確認してみてください!
「お家のお手入れガイド」についてはこちら -
自然素材を取り入れて後悔しないポイント
自然素材を取り入れる際、以下のポイントを考慮すれば後悔しません。事前に確認しておきましょう。
経年変化を楽しむ
湿度や太陽光だけでなく、季節の変化にも影響を受けるため、通常の建材よりも経年劣化のスピードが速いとされています。しかし、換言すれば、素材の変化を体感しやすいということ。時間だけでなく季節によって伸縮する素材の変化を楽しみながら生活してみてはいかがでしょうか。
特性を知って用途に合わせた素材を選定する
選ぶ時は、それぞれの特徴を踏まえた上で取り入れていきましょう。たとえば、高価な無垢材はフローリングに使用することで、空間に高級感を持たせることができます。また、珪藻土は湿気がたまりがちなランドリールームや臭いがこもりがちなトイレに採用することで、家全体を快適な空間にすることができます。それぞれ適材適所があるので、見極めたうえで採用していきましょう。
自然素材の施工に扱いに慣れている会社に施工を依頼する
どれだけ素材の特徴を理解しても、工事を依頼する会社が自然素材の施工に慣れていなければ満足のいく仕上がりにはなりません。素材の選択と並行して施工を依頼する会社も慎重に選んでいきましょう。KULABOは様々な自然素材を使ったリノベーション工事に携わった実績がございます。素材の良さを活かした空間デザインをご提案いたします。
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KULABOの自然素材を取り入れた施工事例
それでは、自然素材を取り入れた弊社の施工事例をご紹介いたします。ご参考にしてみてください。
経年変化が美しい自然素材の風合いが魅力の戸建リノベ家族構成:ご夫婦+お子様2人
費用:約1,675万円(2022年施工)施主様お気に入りだった階段と2階ホールの天井部分はそのまま残して、経年変化とともに徐々に既存のものと調和するように素材を選定しています。木の優しい温もりが心の安らぎを与えてくれます。
木の質感漂う自然素材に囲まれた戸建リノベ愛知県岡崎市/S様邸
家族構成:ご夫婦+お子様3人(2020年施工)無垢材で仕上げた内装は、木の温かさを感じられる落ち着いた雰囲気を演出。自然素材ならではの木の色合いや個性的な木目は、年月を重ねるごとに味わいのある表情へ変化し続ける愉しさがあります。
古き良き趣を残す、古民家風リノベ愛知県刈谷市/T様邸
費用:約1,280万円(2019年施工)築約70年の平屋を全面リノベーション。古き良き趣と、新しく取り換えた明るい色合いの自然素材のコントラストが美しいお住まいに仕上がりました。
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まとめ
今回のコラムでは自然素材についてご紹介させていただきました。木の質感や風合いなどが意匠性を上げてくれるだけでなく、科学物質を使用していないため、安心して生活できる住まいでもあります。
そんな自然素材を取り入れたリノベーションを、KULABOではこれまで多数施工してきました。また、お客様のご要望をお伺いし、実現できる内容をご提案することも意識しております。「こんなイメージで自然素材を使ってみたい」や「自然素材を取り入れてこんな暮らし方をしたみたい」などといったご要望がございましたら是非ご来店ください。
このコラムの執筆者
菅野 雅之