住まいの心地良さを作る照明器具の選び方。照明までこだわるリノベーションの家づくり

2024年11月12日

普段何気なく取り入れている照明は、住宅のインテリアの中でも部屋の印象を少しの変化でガラリと変える重要なデザイン要素の一つです。光は知らず知らずのうちに私たちの健康や暮らしに大きな影響を与えています。そのため、照明器具を選ぶ際に単純に電球の寿命や価格だけで決めてしまうのはもったいないです。

今回は、照明器具の選び方や注意点についてお話します。どのような照明を選べばよいか迷われている方は是非ご確認ください。

  • 照明の効果・役割とは?

    照明は単に室内を明るくするための道具ではありません。それ以外にも様々な効果や役割があります。照明の役割や効果を理解しておきましょう。

    ■心理的・生理的効果

    人間の身体は光と密接に関係していると言われています。朝の光で脳を活性化させ、日が暮れるにつれて気持ちを静めて眠くなるといったサイクルで生活リズムが作られます。明るすぎる光はストレスの要因になってしまうこともあります。光が生体リズムをサポートすることで、快適な生活に繋がります。

    ■モノを照らして見せる

    目は光を感じてはじめて、物の形や色を認識できます。光がないと、身体をどこかにぶつけたり転倒して大けがに繋がる可能性も。安全の確保も含めてモノを照らすことは重要な役割です。

    ■空間を演出する

    照明の照らし方が違うだけで、お部屋の印象はガラッと変わります。光の濃淡によって空間に立体感や奥行きが生まれ、光の数の多さにより部屋の雰囲気を演出します。


    次に、照明計画をする際のポイントについてご紹介します!

  • 照明計画ポイント①部屋に合った光の色を選ぶ

    みなさまは照明を探しているときに、電球やランプの出す色が違って見えたことはないでしょうか。この光の色の違いが「色温度」と呼ばれるもので、光の色味を表すひとつの尺度です。

    私たちが日常の生活の中で目にする照明の色温度は「昼光色」「昼白色」「電球色」の大きく3つに分類されます。光の色味は心理的効果をもたらしますので、場所に合わせた色の使い分けを心がけてみると良いでしょう。それでは3色それぞれの色が与えてくれる効果と特徴を説明します。

     昼光色 

    昼光色は青みがかった白色。色温度が高いので物がはっきり見えやすく、集中力を高めたい書斎や勉強部屋にぴったりです。太陽光と同じように、出来るだけ高い位置から全体を照らすと効果的です。



     昼白色 

    太陽の明るさに最も近い白色。昼白色と電球色の中間の色温度で、あたたかく明るい雰囲気を演出できます。どの部屋にも合う色ですが、特にリビングや洗面所等で自然な光を求めている場所におすすめです。



     電球色 

    温かみのあるオレンジがかかった色で、色温度が低いので暗めに感じられるのが特徴。目も疲れにくく、落ち着いた雰囲気をつくりたいときに向いています。例えば、寝室に取り入れるとリラックスした状態で心地良く眠りにつけます。また、料理をおいしく見せる色とも言われているので、ダイニングに取り入れるのも最適です。


    主な特徴についてお話させて頂きました。ひとつの空間に複数の照明を使う場合は、色温度が大きく異なるものではなく同じ色温度や近い色味の照明に揃えることで違和感がなくなります。ぜひ使う場所に合わせて色温度を選んでみましょう。

  • 照明計画ポイント②一室多灯にする

    従来、住宅照明は部屋全体を明るくする照明を1つだけ設けるスタイルが主流でした。しかし、照明器具が1つだけだと空間が平坦で味気ない印象になってしまいます。そこで近年は、お部屋全体を明るくメリハリをつけるために、主照明と補助照明を上手く組み合わせる「一室多灯」というスタイルが徐々に増え始めました。

    主照明とは、シーリングライトのような部屋全体を1灯だけで明るく照らすことを目的とした照明のことをいいます。一方で、スポットライトやブラケットライトのように主照明を補ったり空間の一部だけ照らす照明器具を補助照明と呼びます。

    一室多灯の場合は、必要な場所に必要な明かりが行き届き、状況に応じて光の調節が可能です。家族それぞれが違うことをしながらも居心地の良い空間として使用でき、視覚的にもゾーニングできます。

    高さを不揃いにしたり、異なる種類の照明を組み合わせると、よりお洒落な印象に仕上がります。照明一つによって居心地の良さも変わります。照明器具の種類を迷われている方は、種類と特徴を確認してみてください。

  • 照明リノベーションの注意点

    最後に、照明リノベーションを行う際に気を付けたいポイントについてお話します。

    *使う人に合った明るさを選ぼう!

    先ほど照明の色温度についてお話しましたが、使う人や時間帯によっても明るさの感じ方は様々です。年齢とともに視力にも変化が現れます。20代で必要な明るさを基準とすると、60代で同じ明るさを感じるためには約2~3倍の明るさが必要と言われています。一緒に住む家族に配慮した明るさ選びが、快適な暮らしに繋がります。シチュエーションに合わせて調光調色できたりスイッチで切り替えができる照明を選ぶこともおすすめです。

    *設置場所と照明器具の形や大きさを考えよう!

    取り付ける照明の位置や大きさの確認を怠ると、実際に生活した時に邪魔になってしまったり、バランスが悪い空間になってしまう可能性がございます。あらかじめ、どこにどのような照明をつけるのか計画を立てておくことで、そのような失敗を防ぐことができます。
    また、今まで取り付けたことがない場所に新たに照明器具を設置する場合には、配線工事やスイッチの設置が必要となることも頭に入れておきましょう。


    照明を含めてリノベーションを行うことで、より暮らしやすいお家づくりが実現できます。カタログだけで決めるのではなく、実際に光の見え方を体感してから選びましょう。KULABOでは、光の見え方等を実際に体感いただけるスタジオも構えております。お客様のご希望をお伺いしたうえで、デザインと暮らしやすさを考慮した提案をさせていただきます。ご興味ございましたら是非一度KULABOにご相談くださいませ。

このコラムの執筆者

KULABOのスタッフ

林 果凛

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