大流行中「モールテックス」とは?特徴やモルタルとの違いは何?

2023年12月07日

モルタルは、コンクリート調の質感を再現できることからリノベーションをする方に人気の素材。様々なテイストに調和し、自然素材やタイルなどと合わせても相性抜群と言われています。
ここ数年、モルタルと似た仕上がりになる素材として注目を集めている素材が「モールテックス」です。今回はモルタルとモールテックスの特徴と、モルタルとモールテックスを使った施工事例についてご紹介します。リノベーションをご検討中の方は是非ご確認ください。

  • モルタルの特徴!メリットデメリットは?

    モルタルとは、セメントと砂、水を混ぜてペースト状にした建築材料です。主に壁や床の仕上げ材、レンガやブロックの目地として使われています。

     メリット 

    ・つなぎ目がなく、掃除がしやすい
    モルタルはつなぎ目がなく、表面が滑らかでキレイな仕上がりになります。タイルなどと違いつなぎ目にホコリがたまらないので手入れがしやすいです。また、汚れや傷が出来ても部分的に塗り直せばよいので補修がしやすいです。

    ・耐久性や耐火性に優れている
    モルタルに使われる原料は全て不燃性です。そのため耐火性に優れ、火災がおきても燃え広がりにくく有害ガスを発生することがありません。

    ・デザイン性が高い
    モルタルは職人が手作業で仕上げるため、同じ素材を使っても仕上げ方によって印象を変えることが出来ます。



     デメリット 

    ・表面にひび割れが発生しやすい
    素材の特性上、モルタルはどうしてもひび割れが発生しやすいです。ひび割れを起こした箇所は水やホコリの侵入経路になるので、劣化の原因になります。モルタル自体は防水性が低いですが、表面に塗装を行うことで防水性を高めることが出来ます。

    ・材質が硬く、防音性が低い
    モルタルはフローリングなどに比べると材質が硬いので、転んだ際に怪我をしてしまう可能性があります。さらに、音が反響しやすく防音性に欠けます。玄関や土間などをモルタル床にする分には大きな支障はないかと思いますが、部屋全体をモルタル床にするとなると足音や物音が気になるかもしれません。

    ・断熱性が低いので冬は寒い
    蓄熱性が高いモルタルですが、断熱性が低いです。夏はひんやりと涼しく感じるかもしれませんが、冬場は冷え込む可能性があります。モルタル床にする場合は、床暖房や断熱材などを上手く使って断熱対策をすることが大切です。

  • モールテックスの特徴!メリットデメリットは?

    モールテックスとは、ベルギーのBEAL社が開発した薄塗りの左官塗料です。見た目はモルタルと似ておりほとんど同じ材料を使っていますが、モールテックスはセメント、水、砂の他に特殊な樹脂が混ぜられています。機能性が高いことから様々な生活シーンで使用されています。

     メリット 

    ・防水性に優れている
    モールテックスは、水に強いのが大きな特徴です。そのため、キッチンや洗面台、お風呂などの水回りでも仕上げ材として使用が出来ます。ここがモルタルとの大きな違いの1つです。

    ・柔軟性や耐久性が高い
    モールテックスの原料には特殊な樹脂が混ざっているので柔軟性が高いです。1~2㎜程度の薄塗りでも強度があり、表面強度はコンクリートの5倍と言われています。モルタルの場合は年月が経つとヒビが入ってしまう可能性もありましたが、モールテックスは角が欠けたり表面の削れが起こりづらくなります。

    ・デザイン性が高い
    モルタル=グレーを想像する方も多いかと思いますが、モールテックスは全64色とカラーバリエーションが豊富です。自分の好みや部屋の雰囲気に合わせて色を選択出来ます。KULABOで特に人気の色は「グレー系」の色です!クロスではなくモールテックスを使うことでお部屋の雰囲気がぐっと変わります。



     デメリット 

    ・コストがかかる
    モールテックスは施工工程も多く、完成まで1週間ほどの作業時間を必要とします。手間がかかればかかるほど工事費も高くなるので、モルタルに比べて費用が高くなります。

    ・定期的にメンテナンスが必要
    耐久性や防水性を保つためには、日々のメンテナンスが必要不可欠です。定期的にニスやオイルを塗り直しをして綺麗な状態を保ちましょう。



    価格が高いというデメリットを上げましたが、キッチンの腰壁やカウンターのみなど使う箇所を工夫することも可能です。次章は一部分でモールテックスを使用した例をご紹介します。

  • 一部モールテックスを使用した例

    モールテックス腰壁 約60万円~


    愛知県大府市リノベーション事例"

    モールテックスカウンター 約50万円~

  • 施工事例①リビングの壁をモルタル仕上げにしてアクセントに

    ごろごろリビングでくつろげる家

    工法:RC造
    間取り:4LDK→2LDK+WSC
    リフォーム費用:約610万円
    施工面積:約80㎡
    築年数:築15年



    内装の印象を左右する壁材ですが、日本の住宅で多用されている素材はクロスと言われています。しかし、壁材の種類はクロスだけではなく塗り壁材が使用されることがあります。

    ここで紹介する事例はキッチン・ダイニングの天井や壁、リビング一角のワークスペースにモルタルを採用しました。随所に施工することでLDKのアクセントになっており、モルタルの自然な風合いが心地よい空間を創り上げています。
    また、玄関床もモルタル仕上げでカッコよくしています。

  • 施工事例②キッチンの腰壁と造作ワーク収納をモールテックスで統一!

    趣味の時間を楽しむマンションリノベ

    工法:SRC造
    間取り:3LDK→2LDK+WIC
    リフォーム費用:約1,070万円
    工事期間:約3ヶ月
    施工面積:86.9㎡
    築年数:築17年



    モールテックスは防水性が高く、水回りにも取り入れられる点が最大の特徴でした。近年はリノベーションをする際に、キッチンの天板や腰壁をモールテックスで仕上げる事例が増えてきています。

    ここで紹介する事例はキッチンの腰壁と、空間の統一感を出すためにLDKの造作ワーク収納とワゴン収納もモールテックスを施しました。無機質に思えるモールテックスですが自然素材との相性抜群なので、床材やダイニングテーブルなどは温かみのある木材を採用しています。シンプル過ぎない大人かっこいい空間の住まいが完成しました。

  • まとめ

    今回はモルタルとモールテックスのそれぞれの特徴についてお話ししました。似た仕上がりになりますが異なる特徴を持っており、どちらもおしゃれな雰囲気を演出してくれること間違いありません。コストや施工場所に合わせてどちらを取り入れるか検討してみてはいかがでしょうか。

    好きな素材を選択できるというのもリノベーションの醍醐味です。KULABOでは「暮らしやすさ」とライフスタイルに合わせたデザインを両立させたリノベーションを得意としています。モルタルやモールテックスを使用した施工事例も多くございますので、気になる方は是非チェックしてみてください。

このコラムの執筆者

KULABOのスタッフ

村松 杏摘

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