「リノベーション向きマンション」の探し方とは?リノベ会社目線で徹底解説!
2022年12月05日
2024年11月18日
近年はリノベーションの人気が高まりつつあり、リノベーションをすることを前提に物件探しをする方が増えてきています。しかし、物件探しをしている方にとっては、「リノベーションしやすい物件ってどんな物件?」「物件探しで何を注意したらいいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、リノベーション向き物件の上手な探し方や物件を選ぶ際の注意点についてお話させていただきます。これから中古マンションを購入してリノベーションをご検討される方は、是非一読ください!
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リノベーション向き物件とはどんな物件?
現代ではインターネットにたくさんの物件情報が掲載されており、インターネット検索をして物件を探す方法が主流になっています。但し、インターネット上には”リノベーション向き物件”と記載はされていないことがほとんどで、どの物件がよいか物件情報を確認しながら判断する必要があります。
基本的にどのような物件であってもリノベーションは可能です。しかし注意しなければならないのが、物件によっては自分たちが求める条件が叶えられない場合があるという点です。ここでは、一般的にリノベーションしやすいと考えられる物件のポイントを3つの視点からご紹介していきます。
リノベ向き物件① 資産価値が下がっている物件⁉
マンションは、築年数が経つにつれ資産価値が下がっていく傾向にあります。新築から築20年程度までは大方一定の割合で下落していき、それ以降は下落率が緩やかになります。そのため、リノベーションを前提として物件を探す場合は、価格が手頃で資産価値も下がりにくい築20年前後の物件がおすすめです。
築25年以降は設備機器や配管の交換といった修繕時期に差し掛かります。内装や設備を新しいものに交換することに加え、ライフスタイルに合わせてリノベーションを行っても比較的コストを抑えることが出来ます。
リノベ向き物件② 間取りが変更しやすい構造の物件!
家族構成やライフスタイルに合わせて間取り変更を行えることがリノベーションの大きなメリットの一つです。しかし、間取り変更を行う上で、柱や壁などの構造面がリノベーションの妨げになることがあります。どうしても壊せない場合はうまく活かす方法もありますが、制約の少ない方が間取りの自由度が高くなります。
マンションは2つの建物構造に大別されます。
◎ラーメン構造
柱と梁で建物を支える構造
◎壁式構造
壁で建物を支える構造
リノベーションに向いている構造は「ラーメン構造」です。「壁式構造」は壁が構造になって建物を支えているため、室内の構造壁は撤去できません。ゆえに、間取りの変更に制限が出る場合があります。
リノベ向き物件③ 売却時に手が加えられていない物件⁉
物件情報を見ていると、”リフォーム(リノベーション)済物件”と記載がある物件を見かけたことはないでしょうか。言葉通り、この記載がある物件は既に内装工事が施されており、物件価格にリフォーム費用が上乗せされている場合がほとんどです。物件購入後に自分好みにリノベーションをしたいと考えている場合、二重でリノベーション費用を払うことになってしまうので金銭的な負担もかかります。更に、一度リノベーションしたのに再度工事を行うとなるともったいなさもあります。
その一方で、リノベーション前の物件であれば一から自由にカスタマイズでき、必要のないリフォーム費用を負担しなくてもよいので金銭的にも負担が少なく済みます。以上の理由を踏まえ、"リフォーム(リノベーション)済物件”は選択肢から除外しておくと良いでしょう。
それでもなお、希望条件にぴったりな物件がリフォーム(リノベーション)済物件だったということもあるかもしれません。そのような場合は活かせる箇所はそのままに、一部分をリノベーションしたり、デザインを重視して行うデザインリノベーションを行うのも一つの方法です。 -
リノベーション向き物件を選ぶ際の注意点
リノベーション向き物件を選ぶ上での注意点を3つご紹介します。
*築年数と耐震性を確認する
1981年6月1日以降に建築確認を受けたマンションは新耐震基準、それ以前に建てられたマンションは旧新耐震基準の物件になります。新耐震基準は震度6強~7程度の揺れでも建物が倒壊しない想定の基準であり、比較的安全性が高いと言われています。他方、旧耐震基準のマンションが全て安全性が低いというわけではありませんが、安全性以外にも旧耐震基準のマンションを購入する際は注意点があります。
例えば、2022年12月現在の住宅ローン控除の対象条件として
・1982年1月1日以降に建築された住宅であること
・現行の耐震基準に適合していること
が条件となってくるため、旧耐震基準の建物は税制面の優遇措置が受けられません。但し、税制改正により旧耐震基準の建物でも、現行の耐震基準に適合している証明書となる「耐震基準適合証明書」を提出すれば、優遇措置が受けられる可能性があります。
また、中には旧耐震基準のマンションでも耐震改修や耐震補強を行い、新耐震基準以上の耐震性があるマンションも存在します。耐震診断を受けているか、受けている場合はその結果を物件購入前に確認しておきましょう。
*予算配分に注意する
中古物件を購入してリノベーションを行う場合、必要となる資金は中古物件代金、リノベーション費用、諸費用等をトータルした金額です。ここでよくある失敗は、物件購入費用とリノベーション費用のどちらか一方に予算の多くを充ててしまい、もう一方の予算が十分に確保できないというケース。トータルの金額で資金計画を行わず、気づけば予算オーバーしていたという例も少なくありません。
≪予算総額3,500万円の場合≫
例1)
物件価格:3,000万円
諸費用:200万円
リノベーション費用:300万円
⇒水回りなどの設備の交換や部分的なリノベーションのみ。やりたいことが制限されてしまう、、!
例2)
物件価格:2,000万円
諸費用:200万円
リノベーション費用:1,300万円
⇒間取り変更等の自由度が高いリノベーションが可能!!
上記のように、同じ予算内でも予算配分が違うだけで、リノベーションができる範囲も大きく変わるのです。
中古物件の価格は決まっていますが、リノベーション費用はかけようと思えばいくらでもかけることができます。そのため、想定よりもリノベーション費用が高くなることもあります。どちらか一方だけに偏ることがないように、家づくりの優先順位を考えながら予算配分をする必要があります。
*マンションの管理状況を確認する
マンションを購入する際に、築年数や耐震基準以外で事前に確認しておきたいもう1つのポイントが、マンションの管理状態です。
マンションの共用部は基本的にリノベーションを行うことができず、管理状況が良くないとその分建物の劣化が早まります。そのため、どのような管理がされてきたか、管理が行き届いているのかを事前に確認しておく必要があります。不動産会社を通して、マンションの管理状態や修繕履歴、今後の修繕計画の有無を確認しておきましょう。また内見の際には、エントランスや集合ポスト、駐輪場なども実際に自分の目で見て確かめると安心です。
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まとめ
今回は、リノベーション向き物件の上手な探し方や物件を選ぶ際の注意点についてお話ししました。
中古物件を購入しリノベーションを行う際は、物件選びや予算配分が非常に大切になります。今回お伝えした内容の他にも、部屋の天井高・排気のルート・電気の容量など、現地確認時に確認するべきポイントは沢山!知識がないままマンションを購入してしまうと、「希望の間取りが叶えられなかった…。」「想像以上に工事費用がかかり予算オーバーになってしまった…。」ということが発生してしまいます。
しかしながら、自分自身でリノベーション向き物件がどれか判断するのは難しいもの。希望のリノベーションを実現するためには、リノベーションのプロが同席のもと、プランの可否・予算について検討していく方法がベストです!
KULABOは中古物件探しから資金計画、プランニング、デザイン、施工、引渡し後のアフターメンテナンスまで一貫してサポートしている会社です。物件購入前にお客様の理想とするリノベーションが実現可能かを徹底調査するため、中古物件の内覧時にも同行してリノベーションに適した物件かどうか見極めます。
物件探しからリノベーションをご検討されている方は、物件購入前に是非ご相談ください!
このコラムの執筆者
石原 未悠