知らないでリノベすると後悔する!?内装材の種類と特徴
2020年07月02日
2024年11月12日
長年住み続けた家や中古物件を購入した際、「内装を新しくしたい」「好みのテイストに変えたい」など思うことはありませんでしょうか。
室内の印象を変えるには、壁や床などの内装を変えることが効果的です。空間の中でも壁や床は大きな面積を占めるため、部屋のイメージを大きく左右します。
しかし、壁・床・天井などで使用する内装材は種類も豊富で、機能面も様々。どれを選べばいいのか分からないというお声もよく聞きます。
今回のコラムでは、壁材や床材の種類・特徴についてお話しさせていただきます。是非内装材選びの参考にしてみてください。
CONTENTS
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代表的な壁材は大きく分けてクロスと塗り壁の2種類
家が古くなってきたからリフォームしたいと思った際、一番気軽に始めやすく、加えて一気に室内のイメージを一新できるのが「壁の貼替・塗替え」ではないでしょうか。
雰囲気を変えるだけでなく、選ぶ素材によって機能面も向上させることができます。ここでは一般的に使用されることが多いクロス・塗り壁それぞれの特徴を簡単にご紹介します。
■クロス
クロスは比較的価格が安く施工もしやすい為、一般的な住宅で多用される素材で、日本の住宅の壁の9割はクロスであると言われています。
クロスにはビニールクロスとエコクロスがありますが、ここではより一般的なビニールクロスの特徴をまとめさせていただきます。
《メリット》
・比較的価格が安い
・デザイン、種類が豊富
・メンテンナスや掃除がしやすい
・施工しやすい
《デメリット》
・結露やカビが出やすい
・年月が経つと接着剤が剥がれてくる
・化学物質を含むものがあるため、アレルギー体質の方は注意が必要
■塗り壁
塗り壁とは、漆喰や珪藻土を塗って仕上げた壁のことです。クロスに比べ、落ち着きのある自然な風合いが魅力で人気の高い壁材です。
塗り壁の中でもよく使用されるのは漆喰と珪藻土です。漆喰は石灰石を焼いて水を加えて消石灰にしたモノで、珪藻土は植物性プランクトンの化石が堆積してできた土からできています。
漆喰と珪藻土の共通したメリットデメリットは下記の通りです。
《メリット》
・調湿性に優れている
・防火性に優れている
・防音性に優れている
・天然成分で出来ているためアレルギーの心配が少ない
《デメリット》
・掃除しにくい
・ひび割れや擦れに弱く、クロスに比べメンテンナンスしにくい
・価格が高額になる場合が多い
塗り壁はクロスに比べ自然や風合いの仕上がりになり、調湿性や防火性に優れている反面、価格が高くなりがちです。
塗り壁とクロスを箇所ごとに上手に使い分けることで、費用を大きく変えずに塗り壁のメリットを享受することもできます。
リノベーションを行うことで、古くなったものをただ新しくするだけではなくプラスαで価値をつけることができます。
家の構造上「壁を取り壊す」「仕切りを作る」などが難しい場合でも、是非素材選びにこだわってみてください! -
床材の種類は?
壁材よりも直接人の肌に触れやすい床材。床材ひとつで、触り心地や木のぬくもりの感じ方は変化します。また、インテリアにも大きく影響を及ぼしますので、床をリノベーションする際は種類を考慮したいものです。
ここでは、一般的に床材として用いられることが多い集成材・無垢材とクッションフロア、そしてお部屋のアクセントとして取り入れられることも多いフロアタイル・モルタルの特徴についてまとめました。
■合板フローリング
合板フローリングとは、薄い板を何枚にも重ねた集成材をフローリング材にしたモノです。無垢フローリングに比べると安価で、反りが少なく施工しやすいという特徴があります。
《メリット》
・反りやひび割れが起こりにくい
・品質のばらつきが少ない
・一般的に無垢材より価格が安い
《デメリット》
・肌触りが硬く冷たい
・接着剤が老朽化する
・接着剤に有害物質が含まれている可能性がある
■無垢フローリング
無垢材とは、伐採した木を乾燥させて作った天然の木材を言います。木が持つ本来の木目や色合いを活かしたい場合は、無垢材を取り入れることをお勧めします。
《メリット》
・肌ざわりがよく温かみがある
・木の種類によって、色合いが様々である
・調湿性、断熱性に優れている
《デメリット》
・キズやひびが入りやすい
・天候や湿気によって反り返りや隙間が生じる
■クッションフロア
塩化ビニール樹脂を主な成分として作られた床材で、他の床材に比べて安価なため、人気の高い床材です。
継ぎ目が出にくく、水分を通さないため、キッチンや洗面所、トイレ等の水回りの床に多く使われています。
《メリット》
・低コストで施工可能
・防水性に優れている
・色柄のバリエーションが豊富
・クッション性が高い
《デメリット》
・家具を置いた時に凹みキズが残る
・質感は他の床材に劣る
・熱に弱い
■フロアタイル
フロアタイルは水や汚れに強く、掃除がしやすい点で人気がある床材です。強度があり、凹みにも強いため、店舗など商業施設でも利用されます。
また、木目調だけでなく、石目調など色柄のバリエーションが豊かな点も魅力の一つです。
《メリット》
・強度があり、土足にも対応しているものがある
・防水性が高い
・メンテンナスや掃除がしやすい
・色柄のバリエーションが豊富
《デメリット》
・防音性がない
・クッション性がない
・熱に弱い
■モルタル
モルタルとは、セメントに水と砂を混ぜたものです。似たような素材としてコンクリートが挙げられますが、コンクリートはモルタルの原料に加え砂利や砕石などを加えたものを指します。強度を保つにはコンクリートを使用し、見た目のデザイン性ではモルタルを使用してもいいですね!
《メリット》
・デザイン性が高い
・メンテンナスや掃除がしやすい
《デメリット》
・ひび割れする可能性がある
・防音性や断熱性が低い
上記の通り、あまり気に留めたことがなかった床材もこのような特徴があります。
どの床材を取り入れるかで室内の印象、住み心地も変わってきます。
ゆったりとリラックスしたリビングにしたい場合は無垢フローリング、お子様やペットがいる場合は遮音性・衝撃吸収性の高いクッションフロアを使うなど、床材の特徴を上手く利用し、ご家族にとってどういった空間にしたいかを考えることが大切です。
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素材選びのポイントとは?
素材選びを行う際、素材の特徴を理解することはもちろん、以下の点にも注意して素材選びをしましょう。
*施工箇所にあった内装材を選ぼう!
好みのデザインを重視することももちろん大切ですが、施工箇所に合わせた内装材を選択することが最も重要です。キッチンやトイレなどの水回りに、カビが発生しやすいような素材を選べば、せっかく新しくした内装材もすぐに張替えをしなければいけないなんてことも!それぞれの場所と用途に合った素材の選択をしましょう。
*部分的に施工するより全体的なリノベーションがお得!?
クロスの汚れた部分や剥がれてきた部分のみ張替えをするとなると意外と費用がかかるものです。全体的にリノベーションすることで、費用を安く抑えることができたなんてこともございます。一度リフォーム会社見積もりをだしてもらうことをお勧めします!
*有害物質に注意!
内装材の中には、シックハウス症候群の原因となる有害物質が含まれるものがあります。現在は高気密・高断熱な住宅が普及しているので、室内に有害物質がたまりやすくなってしまいます。リフォームリノベーションのタイミングで、化学物質の少ない素材を選ぶことが、シックハウス症候群の予防になります。
*カタログだけで判断しない!
資料やカタログだけでは、「思っていた色と違った」や「壁の全面に貼ると雰囲気が違った」など素材選びに失敗してしまう可能性がございます。できる限り大きいサンプルを見たりショールームなどへ行き検討しましょう。
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まとめ
今回ご紹介したものは数ある内装材の中の一部です。内装材ひとつひとつに、特徴が存在しますので使用箇所によって上手く組み合わせながら取り入れていきましょう。好みやライフスタイルは年月が経つごとに変化するものです。内装のリフォーム時期である10~15年目を目安に、お部屋の雰囲気を変えてみるのもいいですね。
「こういう部屋にしたい」などイメージがあれば、是非一度リフォーム会社に相談してみましょう。
このコラムの執筆者
中山 友愛