マンションの梁をおしゃれに活かす!デザインの工夫とリノベ実例集

2025年08月30日

天井から出っ張った「梁(はり)」に、圧迫感を感じたことはありませんか?
多くのマンションに見られるこの梁は、構造上必要なものですが、インテリアの邪魔に思われがちです。

でも実は、工夫次第でおしゃれなアクセントに変えることができるんです!
このコラムでは、梁が出てくる理由や、よくある悩み、そしてそれを解消するデザインの工夫や実例を紹介します。「隠す」から「活かす」へ。梁のある空間をもっと魅力的に変えてみませんか?

  • マンションに梁が出てくる理由とは?

    マンションに住んでいると、天井から下がった「梁(はり)」に気づくことがあります。部屋の一部に出っ張るこの構造が、空間の印象に大きく影響することも少なくありません。
    そもそも梁とはどのような役割を持ち、なぜマンションでは室内に見える形で設計されるのでしょうか?
    この章では、梁の基本的な役割から、出っ張りが生まれる理由、そして室内に与える印象までを解説します。

    ■梁(はり)とは?

    梁は、天井や上階の床、屋根の重みを支えて柱へと伝える、建物の骨組みのひとつです。
    一般的に横方向に通る構造材で、部屋の天井を横切るように設置されているのが特徴です。
    地震や荷重に耐えるためには欠かせないパーツで、戸建てからマンションまで、あらゆる建築物に使用されています。



    ■なぜマンションに梁が出っ張るのか?

    マンションでは「ラーメン構造」と呼ばれる建築方式が採用されていることが多く、柱と梁のフレームで建物を支える設計になっています。
    この構造では、梁を天井内部に完全に隠すには天井全体を下げる必要があり、室内空間を狭くしてしまいます。そのため、必要な梁のみを部分的に露出させる「下がり梁」として設計されることが多いのです。
    また、配管スペースや間取りの自由度を確保するためにも、梁を表に出す構造が選ばれるケースが一般的です。



    ■ 梁が出ているとどんな印象になる?

    梁が室内に出ていると、視線を遮ることで天井が低く見え、空間に圧迫感を与えることがあります。
    特にリビングやダイニングの中心に大きな梁が通っていると、部屋が分断されたように感じられたり、照明やインテリアの配置にも影響を及ぼします。
    「部屋が暗く見える」 「家具を置く位置に制限がある」 「デザインの邪魔になる」といった声も多く、快適な空間づくりのうえで悩みの種になることもあります。



    梁は構造的に必要なものとはいえ、実際の住空間に現れると、その存在感が意外と大きく、日々の暮らしやインテリアに影響を与えることがあります。
    天井が低く感じる」 「照明やエアコンの設置に困る」 「空間が分断されて見える」など、デザイン面でも機能面でも悩まされることが多いのが実情です。

    特に、せっかく自分好みの空間にしたいと思っても、梁が邪魔に感じてしまうと、思うようなレイアウトや雰囲気が作れないことも。
    では、具体的にどのような悩みが起きやすく、どんな工夫で解消できるのでしょうか?
    次の章では、マンションにおける「梁のあるあるなお悩み」について、詳しく見ていきましょう。

  • 梁があることでよくある悩み

    マンションの天井に現れる梁は、構造的に仕方ないものとはいえ、日常生活の中では“ちょっと困る存在”になることも。ここでは、よく聞かれる代表的な4つの悩みについてご紹介します。

    代表的な4つの悩み

    ■ 天井が低く、圧迫感がある
    梁が天井から下がっていると、特にその下に立ったときに天井が低く感じられ、「なんとなく狭い」「頭上が気になる」と感じることがあります。
    梁の幅や高さが大きいほど、視覚的にも重たい印象になりやすく、リビングや寝室など“くつろぎたい空間”に不向きに感じる人も多いようです。

    ■ 照明やエアコンの取り付けに困る
    梁がある場所には、天井直付けのダウンライトやシーリングライトが取り付けられない場合があります。
    また、エアコンを設置する際に、風の通り道が梁で遮られてしまい、冷暖房効率が下がるケースも。間取りによっては「本来つけたかった場所に取り付けられない」という問題も発生します。

    ■ 部屋が区切られて見えてしまう
    梁が部屋の中央を横断するように通っていると、空間が“2つに分かれた”ように見えることがあります。
    たとえば、リビングとダイニングの間に梁があると、一体感がなくなり、広さや抜け感が損なわれることも。開放的な空間づくりを目指す場合、これは大きなハードルになります。

    ■ 梁が目立ちすぎてインテリアの邪魔になる
    せっかく統一感のあるインテリアを目指しても、コンクリートむき出しの梁があると「浮いて見える」「雰囲気が壊れる」と感じる人も多いです。
    特に梁の素材や色が他の天井や壁と合っていない場合、目立ちすぎてしまい、全体のバランスを取りづらくなります。



    このように、梁があることで住まいの快適性やデザインに影響を及ぼすこともありますが、見方を変えれば「デザインのチャンス」にもなります。
    次章では、そんな悩みを解消し、梁をおしゃれに活かすアイデアやテクニックをご紹介します。

  • マンションの梁をおしゃれに見せる工夫とは?

    梁があるせいで部屋が狭く感じる」 「天井が低くてなんとなく圧迫感がある」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
    しかし実は、梁はただ“仕方なくあるもの”ではなく、“空間デザインを引き立てる主役”にもなり得る存在です。

    色や素材を工夫することでアクセントとして活かしたり、照明を組み合わせて演出効果を高めたりと、アイデア次第でインテリアに深みを持たせることができます。
    さらに、梁の配置をうまく利用すれば、空間の「区切り」や「役割」を視覚的に生み出すことも可能です。

    ここでは、マンション特有の「出っ張った梁」を逆手に取って、おしゃれで機能的な空間に変えるためのアイデアをご紹介します。

    ■ 1. 梁の色を変えてアクセントにする


    あえて梁を目立たせるように濃いカラーで塗装することで、空間全体に引き締まった印象を与えることができます。
    たとえば、白を基調としたリビングにチャコールグレーやブラックの梁を取り入れれば、モダンで洗練された印象に。
    木目調の梁にすれば、ナチュラルで温かみのある空間演出も可能です。
    梁=デザインの邪魔者」ではなく、「梁=見せ場」として活かすスタイルです。



    ■ 2. 天井と同系色で揃えて一体化させる


    梁が目立たないように、天井と同じ色で塗装することで、梁を空間に溶け込ませ、圧迫感をやわらげる方法です。
    特に、天井が低めの部屋や梁が大きめの空間では効果的。
    たとえば、白い天井に白い梁を合わせれば、梁の存在感が視覚的に薄れ、天井全体がフラットに見えるため、広く明るい印象を与えられます。
    梁を主張させたくない」 「すっきりとした空間にしたい」という方におすすめです。



    ■ 3. 照明と組み合わせて演出する


    梁に照明を組み合わせることで、梁そのものが“空間を彩る装置”に変わります。
    たとえば、梁の裏側に間接照明を仕込めば、やわらかな光が天井を照らし、上質で落ち着いた雰囲気に。
    ダウンライトを梁に沿って埋め込めば、天井に陰影が生まれ、空間に立体感が出ます。
    梁と照明を組み合わせることで、ただの構造体が“インテリアの表現力”として活かされるのです。



    ■ 4. 異素材と組み合わせる


    梁に木材やアイアン、モルタル、タイルなどの異素材を取り入れることで、空間に「質感」と「個性」を加えることができます。たとえば、コンクリートの下がり梁に天然木の板を貼るだけで、温もりのある北欧風や和モダンの雰囲気に。
    逆に、黒の鉄材を合わせるとインダストリアルで無骨な印象になり、ヴィンテージスタイルやブルックリン風の部屋にもぴったり。
    素材の選び方次第で、梁を主役級のデザインパーツに変えることができます。



    ■ 5. 梁の位置を活かして空間をゾーニングする


    梁が通る位置を「空間の境界」として利用することで、広い空間の中でも機能的なゾーニングが可能になります。
    たとえば、梁の手前をリビング、奥をダイニングとすることで、壁を作らずに“なんとなく分かれている”心地よい間取りに。
    また、ワークスペースや読書スペースを梁の内側に配置することで、天井の変化が“包まれるような落ち着き”を演出してくれることもあります。
    梁を空間構成「きっかけ」として捉えることで、より暮らしやすく、洗練された住まいが実現します。



  • KULABOの梁を活かしたリノベーション事例

    実際にKULABOで手がけたリノベーション事例から、梁をおしゃれに・機能的に活かした空間をご紹介します。
    「邪魔」と感じがちな梁が、住まいの魅力を高める要素へと生まれ変わった実例ばかりです。

    01.キッチンと梁のラインを合わせる



    リノベーション施工事例"

    ヌックのある寛ぎの家

    愛知県安城市

    築年数:26年

    間取り:(before)4LDK→(after)3LDK+WIC

    リノベーション費用:約1,150万円(2024年施工)



    キッチンはLDK中央の大きな梁と平行になるように配置し、腰壁やレンジフード前の壁とラインを合わせることで極力梁が目立たないよう工夫しています。また、梁を境にダイニング・キッチン側の天井を木目のクロスで仕上げることで、リビングと空間を使い分けています。





    02.間接照明で梁を溶け込ませる



    リノベーション施工事例"

    キッチンから見渡すひとつなぎの空間

    愛知県名古屋市昭和区

    築年数:24年

    間取り:(before)4LDK→(after)3LDK+書斎



    LDKには大きな梁があり、空間が分断されているように感じてしまう問題がありました。間接照明を仕込むことで梁自体が照明としての役割を果たし、空間に溶け込むように設計しています。リビングの天井にダウンライトがないのも空間が広く見えるポイントで、間接照明の光が優しく部屋全体を照らします。





    03.突板×タイルで梁を魅せる



    リノベーション施工事例"

    造作と彩りで仕立てる 陽だまりの住まい

    愛知県名古屋市天白区

    築年数:28年

    間取り:(before)3LDK→(after)2LDK+WIC

    リノベーション費用:約1,680万円(2024年施工)



    ダイニング上部の梁は突板やタイル仕上げを施し、フォーカルポイントとして空間に奥行きとデザイン性をプラス。梁のデザインに調和した木の枠が空間全体をつなぎ、こだわりの素材や造作家具で温かみのある住まいを創り上げています。





    04.無塗装梁がLDKのアクセント



    リノベーション施工事例"

    無塗装の梁が映える収納力抜群のマンションリノベ

    愛知県安城市

    築年数:30年

    間取り:(before)3LDK→(after)2LDK



    天井を躯体現しに仕上げたことにより天井高が確保され、LDKに更なる開放感が生まれました。あえて無塗装にした梁はLDKのアクセントになっています。梁以外の天井は塗装を施し床材の色味を明るくすることで、無骨さの中にもナチュラルさを感じる空間が完成しました。





    05.折り上げ天井で梁を隠す



    リノベーション施工事例"

    和×北欧が調和したシンプルで温かみあるジャパンディテイストリノベ

    愛知県名古屋市名東区

    築年数:25年

    間取り:(before)4LDK→(after)3LDK+WIC

    リノベーション費用:約1,830万円(2022年施工)



    天井を梁に合わせ部分で折り上げ加工しカーテンを取り付ける、カップボード面はルーバーを少しだして間接照明を取り付けるなど梁が主張しないように設計を行いました。LDKの空間をデザインする要素としてカーテンを使用。カーテンレールを天井に埋め込み、よりスッキリと見えるように計画しています。



  • 梁に関するよくある質問(FAQ)

    Q.マンションの梁は取り除けますか?

    原則として取り除けません。梁は建物を支える構造体で、多くの場合「共用部分」にあたり、撤去や加工は耐震性や安全性に関わるため禁止されています。
    代わりに、折り上げ天井で包み込む・造作家具と高さを揃えるなど、見せ方を工夫して活かす方法がおすすめです。



    Q.梁を目立たなくするにはどうすればいい?

    天井と同系色で塗装して一体感を出す、間接照明で柔らかく照らす、家具やカーテンラインを梁に合わせるなどが効果的です。
    また、奥の壁にアクセントをつけて視線をそらすなど、複数の方法を組み合わせると存在感を抑えることができます。



    Q.梁にハンモックを吊るすことはできますか?

    基本的に構造梁に直接吊るすとこはできません。構造体への穴あけやアンカー打ちは強度低下や配筋損傷につながる恐れがあり、マンションの管理規約でも禁止されている場合がほとんどです。
    どうしても楽しみたい場合は、自立式のハンモックスタンドを使ったり補強された造作梁を設ける方法が安全です。

  • まとめ

    マンションの梁は、構造上必要不可欠な存在であり、撤去することはできません。しかし、その存在感ゆえに圧迫感やインテリアの制約など、暮らしの中で悩みの種になることもあります。

    今回ご紹介したように、梁は「隠す」だけでなく、色・素材・照明・配置などの工夫によって、むしろ空間のアクセントやゾーニングの役割として活かすことが可能です。
    さらに実例からも分かる通り、工夫次第で梁は住まいの魅力を引き立て、唯一無二のデザインポイントになります。

    梁のある空間を快適でおしゃれにするためには、

    ・現状の梁の位置・形状を正しく把握する
    ・生活動線や視線の流れを考えたデザインを取り入れる
    ・専門家と相談しながら安全性・機能性を確保する

    この3つがポイントです。
    「梁=制約」ではなく「梁=可能性」と捉え、住まいをもっと自分らしくアップデートしてみてはいかがでしょうか。

このコラムの執筆者

KULABOのスタッフ

本島 綾乃

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