つけるだけでおしゃれな「室内窓」!おすすめの効果的な活用例を紹介
2021年07月12日
2024年11月09日
窓には採光や換気、景観の確保などの大切な役割があります。窓は建物の外壁に設けられることが一般的ですが、近年リノベ業界では室内に取り付ける「室内窓」というものが注目を集めています。
室内窓は実用性が高く、壁面のアクセントとなるのでワンランク上のおしゃれな空間になるインテリアとしても楽しめます。そこで今回は、室内窓にはどのような特徴があるのかを事例を用いながらお話します。ぜひお家づくりの参考にしてください。
-
室内窓って何?どんな種類があるの?
室内窓とは、部屋と部屋の間仕切りの壁に取り付ける窓のことで、壁全体を取り払うことなく2つの部屋の空間を繋げる役割を果たします。種類は光や風の通りを良くするタイプから、室内のインテリア性を高めるものまで豊富にあります。特にリノベーションは、取り付ける場所やサイズ、用途に合わせたピッタリのものを造作することが可能です。
室内窓は大きく「開閉窓タイプ」と「FIX窓タイプ」、「段窓タイプ」の3種類に分けられます。それぞれの特徴は下記の通りです。
■開閉窓タイプ
開閉窓とは自分で開け閉めできる窓のことです。開閉タイプでも、引き戸式や突き出し式、開き戸式など様々な種類があります。開閉タイプですので風通しに便利であり、空間を繋げることができるのが特徴です。
■FIX窓タイプ
FIXとは英語で「固定する」という意味があり、開閉が出来ないタイプの窓です。主に採光を目的としており、採光窓と呼ばれることもあります。大きな面積を必要とせずコンパクトにつくることが出来るため、家族との繋がりは感じたいけどプライバシーも守りたいという方におすすめです。また開閉できないので、小さなお子様が誤って開いている窓から落ちる心配もありません。
■段窓タイプ
段窓タイプは、異なる種類の窓を組み合わせた室内窓です。例えば、隣接する部屋と空調は共有したいけどスッキリとしたデザインにしたい時には、「上段突き出し式の開閉窓」+「下段FIX窓」がおすすめです。このように機能とデザイン性が両立させられるところが段窓タイプの特徴です。
以上のような特徴を踏まえ、どのような室内窓が向いているのか考えてみましょう。室内窓は複数枚つなげて設置するデザインも人気を集めており、段窓タイプのように異なる種類を上手く組み合わせてみるのもおすすめです。
次に、室内窓にはどのようなメリットがあるのか確認しましょう。 -
室内窓を取り入れる4つのメリット
■光を通す
奥まった窓のない部屋や北向きの部屋は光が差し込みにくく、暗くなりがちです。特にマンションは、角部屋でない限りバルコニーに面した部屋しか窓がないというお部屋が多いです。そのため、昼間でも薄暗い部屋が出来てしまうことがあり、お部屋も閉鎖的な印象になります。室内窓を設置すれば、隣接する部屋から光が取り入れられるようになり、明るく開放的な空間に生まれ変わります。
■風を通す
窓がない部屋は、風の通り道が扉部分だけになってしまうので空気がこもりやすくなります。しかし、開閉窓タイプの室内窓を採用することにより、風通しを良くすることが出来ます。さらに、空気の循環が良くなれば換気もしやすくなり、空気環境の改善にもつながります。
■家族の気配を感じられる
室内窓を設置すると家の見通しがよくなり、別の部屋にいても家族の気配を感じることができます。子どもや高齢者がいるご家庭は、家事をしながらでも家族の様子をうかがえ、いつでも家族が近くにいるという安心感も得られます。
■空間のアクセントになる
室内窓は、外に面した窓とは違い雨風にされる心配がないので、室内窓の素材を自由に選べます。素材や窓の大きさ、窓の位置によっても印象が大きく異なり、お部屋のインテリアに統一させることもできれば、空間のアクセントになるようなデザインに仕上げることもできます。
-
室内窓のおすすめ設置場所!
室内窓のメリットについてお話してきましたが、それでは住まいのどこに設置すると効果的なのでしょうか。次に、代表的な室内窓の設置場所をご紹介します。
廊下・玄関
▶施工事例を詳しく見る
間取りの配置などで暗くなりがちな廊下や玄関ですが、室内窓を取り付けるだけでとても明るくなり、視覚的に広く見える効果があります。部屋からの明るい光が廊下や玄関を照らしてくれることで、家全体が温かみのある雰囲気になります。
子ども部屋
▶施工事例を詳しく見る
子ども部屋への室内窓設置は、リビングで家事をしながらも子どもの様子を見守れる安心した空間づくりができます。さらに、子ども部屋の間取りで注意したい一つとしてよく挙げられる子ども部屋の「密室化」を防ぎます。子ども部屋が密室化すると、家族とのコミュニケーションが少なくなり、子どもが何をしているのか把握出来ない状況になってしまいます。室内窓はこのような問題も解消し、親だけでなく子ども自身も家族との繋がりを感じられる住まいになります。
ワークスペース・書斎
▶施工事例を詳しく見る
近年の新型コロナウイルス感染拡大により、自宅で仕事や勉強する機会が増加しました。独立したワークスペースに室内窓を設置すれば閉鎖感・孤独感も和らぎ、空気の入れ替えにも最適です。また、LDKの一角を間仕切りしたワークスペースの場合は、子どもの様子を見守りながらも自分の作業ができるようになります。
-
室内窓を設置する際の注意点は?
メリットも感じられる室内窓のリノベーションですが、注意点もございます。最後に、室内窓を設置する際に気をつけたいポイントについて確認しておきましょう。
■設置する目的を明確にしよう
室内窓を設置してみても、結局活用機会がなければ非常にもったいないです。室内窓の設置目的は、メリットでもお話したように主に採光・通風の確保、家族間のコミュニケーションを深める、インテリアとして等が挙げられます。設置目的を明確にすることでより使いやすくなり、自然と室内窓のデザインや種類も決まってくるでしょう。
■室内窓を設置できない場合がある
リノベーション時に新たに室内窓を取り付けようとしても、壁に穴を開けることができず取り付けが難しい場合があります。なぜかと言いますと、建物全体を支える役割をもつ壁もあり、取り壊すことにより家の耐震強度の低下や崩れ歪みの原因に繋がってしまうからです。特に、建物全体を支える筋交いや構造用合板などが壁の内部に入っている場合は設置ができない可能性が高くなります。
また同じような理由で、設置できる窓の大きさにも限界がありますので注意してください。
■プライバシーの確保をするかどうかを考える
室内窓を設置することで明るさと開放感が生まれるメリットがあるのと同時に、その見通しの良さがプライベート空間を確保できないとデメリットに感じる方もいらっしゃいます。特に個室や寝室に室内窓を設置する場合は、光や音が作業、睡眠の妨げになると感じる可能性があります。ガラスの種類を見えにくいすりガラスにしたり、窓の位置を目線よりも高くしたりと工夫することで、プライバシーに配慮した空間になります。常にカーテンなどで隠し続ける状態は窓の意味がなくなってしまうので、プライバシーの確保もあわせて検討しましょう。
-
KULABOで施工した室内窓の事例紹介
最後にKULABOで実際に施工した室内窓の事例をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
01.家族とのコミュニケーションを重視する
▶施工事例を詳しく見る
LDKと洋室の間に引き違いの開閉窓を取り付けた事例です。LDK、洋室のインテリアテイストに合わせて窓枠は木製にし、ガラスはすりガラスを採用しています。
引き違いの開閉窓を採用したことで、窓を開けた時はLDKと洋室でコミュニケーションが取れる距離感になります。引き違いの開閉窓は窓が開いている状態でも場所を取らないので、開けっ放しにしていてもぶつかることなく安心です。窓を閉めている時は直接的に視線は通らないので、プライバシーの確保ができます。
02.視線を通して広々とした空間を演出する
▶施工事例を詳しく見る
ホールとLDKの間に室内窓を採用した事例です。スッキリとしたデザインのFIX窓で、ブラックの窓枠が空間のアクセントになっています。
この事例では、透明ガラスの室内窓が視線を通すことで空間をより広く見せ、ホールにある階段がLDKから見えることで、リビング階段の間取りと同様に家族の動きが見守りやすくなっています。視覚的に広く見せつつ、空間としては仕切られているため、空調負荷が高くならないところがポイントです。リビング階段を採用したいけど電気代が気になる方にもおすすめです。
03.隣接する部屋へ光を採り入れる
▶施工事例を詳しく見る
玄関の土間収納と洋室の間の間仕切り壁に室内窓を採用した事例です。
こちらはFIX窓と突き出し式の開閉窓を組み合わせた段窓タイプです。木製の枠によって、ナチュラルな印象を与えています。
この事例は、室内窓を通して土間収納にある大きな窓から入る光を洋室内に採り入れています。マンションのリノベーションでは、共用部の窓は変更することができないため、採光が欲しい部屋に窓をとることが難しい場合もあります。室内窓を取り入れることによって、柔軟に間取りの計画を立てることができます。また、室内窓の高さを視線よりも高い位置にすることで、家族の気配は感じつつ視線は通らないので、プライバシーを確保することができます。
室内窓は、採光や風通しを改善でき、魅力あるリノベーション内容の一つです。KULABOではお客様のご希望やお悩みをお伺いしたうえで、プロの目線からデザインと暮らしやすさを考慮した提案をさせていただきます。お気軽にご相談くださいませ。
このコラムの執筆者
土田 大翼