店舗リノベーションの成功法~費用相場やポイント解説~

2024年10月26日

「お店を開業したい」「お店を変えたい」という方におすすめの店舗リノベーション。新しく店舗を建てたり、場所を変えて移転する方法と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。

今回のコラムでは、店舗リノベーションのメリットや知っておきたいポイントについてご紹介します。実際にKULABOで施工した店舗リノベーション事例もご紹介していますので是非最後までご覧ください。

  • 店舗リノベーションのメリット

    新築や建て替えではない、店舗リノベーションではどのようなメリットがあるのでしょうか。

     ①ブランドイメージ向上への効果 

    リノベーションによる新規開業もリニューアルも"お店を新しくアップデートさせる”という点でお客様からもプラスのイメージを持ってもらえます。そうすることで店舗に対しての印象も良くなり、売上向上や新たな顧客獲得にも期待できます。



     ②より快適な店舗環境の実現 

    業態にあったレイアウトや動線に変更することで、そこで働く人々もより快適に過ごすことができます。労働環境が整えば働くモチベーションも上がり、業務効率化にも繋がるでしょう。



     ③古い建物を活用できる 

    古い建物の基礎や骨組みはそのままに、内装を変更することで、費用を抑えつつ既存の建物を活用することができます。今の時代に合わせた流行りのテイストから古民家カフェのようなヴィンテージ感のあるテイストまでお店に合わせた理想の空間づくりが可能です。

  • 店舗リノベーションの費用相場と期間

    店舗リノベーションの費用は1坪あたり20~50万円と業態や業種によって異なります。期間についても施工規模によって大きく変わりますが、フルリノベーションの場合3ヶ月∼4ヶ月ほどかかるでしょう。

    特に費用については、建物の状態や設備の有無も影響するため一度専門業者へ相談することをおすすめします。
    専門業者による現地調査を行い、どういったリノベーションが可能であるのか、どのぐらいの費用が必要になるのか等の見積もりを依頼しましょう。
    さらに、国や地方自治体の補助金制度や助成金制度が活用できる場合もあるため自分の暮らす地域ではどのような補助金や助成金制度が活用できるのかチェックしましょう。

  • 店舗リノベーションに利用できる補助金制度

    リノベーションにかかる費用はなるべく抑えたいですよね。実は、店舗をリノベーションする際に場合によっては国や地方自治体の補助金制度を活用できることがあります。補助金制度の概要と注意点についてお話しします。

    1.事業再構築補助金制度

    ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する制度。


    [上限] ※事業類型によって補助上限額が異なります。
    【成長分野進出枠(通常類型)】

    従業員数

    補助上限額

    補助率

    20人以下

    1,500万円

    中小企業
     1/2
    中堅企業
     1/3

    21~50人

    3,000万円

    51∼100人

    4,000万円

    101人以上

    6,000万円


    【成長分野進出枠(GX進出類型)】


     

    従業員数

    補助上限額

    補助率

    中小企業

    20人以下

    3,000万円

    1/2

    21~50人

    5,000万円

    51∼100人

    7,000万円

    101人以上

    8,000万円

    中堅企業

    1憶円

    1/3


    [申請方法]
    公募要項を確認した上で、GビズIDを取得し電子申請システムにより申請。
    ※本補助金の申請にはGビズID(アカウント)の取得が必要です。


    中小企業庁「事業再構築補助金」 についてはこちら


    2.業務改善助成金

    中小企業や小規模事業者の生産性向上を支援するための制度。事業場内で最も低い賃金を30円以上引き上げ、かつ生産性向上に資する設備投資等を行った際に助成されます。


    [対象]
    *中小企業・小規模事業者
    *事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
    *解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと
    [上限]
    引き上げた賃金と事業場の従業員数によって異なります。
    【30円以上引き上げた場合】

    引き上げる労働者数

    事業場規模30人未満の事業者

    1人

    60万円

    2~3人

    90万円

    4∼6人

    100万円

    7人以上

    120万円

    10人以上

    130万円


    【45円以上引き上げた場合】


    引き上げる労働者数

    事業場規模30人未満の事業者

    1人

    80万円

    2~3人

    110万円

    4∼6人

    140万円

    7人以上

    160万円

    10人以上

    180万円


    [申請方法]
    申請書や見積書の他「賃金引上げ計画書」と「事業実施計画書」を労働局に提出


    厚生労働省 「業務改善助成金」についてはこちら




    3.小規模事業者持続化補助金

    小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する制度。

    [対象]
    *下記に該当する法人、個人事業、特例非営利活動法人

    商業・サービス業

    常時使用する従業員の数 5人以下

    宿泊業・娯楽業

    常時使用する従業員の数 20人以下

    製造業その他

    常時使用する従業員の数 20人以下


    [上限]
    (通常枠)50万円を上限とし、経費(※1)の2/3までを補助
    (賃金引上げ枠)200万円を上限とし、経費の2/3までを補助

    ※1 機械装置等費、広報費、委託外注費、設備処分費等


    小規模事業者持続化補助金についてはこちら



    4.名古屋市スタートアップ企業支援補助金

    (第2期募集:令和6年7月1日(月)∼)

    成長が見込まれる企業の創業を促進するため、創業時等の人件費や設備費、外注費等の経費の一部を助成する補助する制度。

    [対象]
    *名古屋市内で新たに創業する方 ※別途条件有
    *創業後5年以内の市内中小企業社(新しい取り組みにチャレンジする方)  ※別途条件有
    [上限]
    100万円を上限とし、補助対象経費の1/3以内を補助



    令和6年度名古屋市スタートアップ企業支援補助金についてはこちら

  • 店舗リノベーションのポイントと注意点

    ここまで店舗リノベーションのメリットや費用相場・期間についてお話ししましたがいかがでしょうか。
    次は実際に店舗リノベーションをする際に気を付けたいポイントや注意点についてご紹介します。

    ◇事前にしっかり計画を立てる

    業種や業態によってターゲット層や雰囲気、価格帯は異なります。レイアウトや動線も業種や業態に合わせて、お客様にとって入りやすく過ごしやすい動線づくりを意識することがポイントです。
    さらに、お客様だけでなく従業員にとっても働きやすい動線をつくることでより良い労働環境づくりが可能になります。お客様と従業員双方が過ごしやすい店舗になるよう、事前に入念な打ち合わせを行い計画を進めましょう。



    ◇建築基準法や法令に注意する

    店舗リノベーションを行う際に注意したいのが建築基準法や消防法です。
    特に建築基準法に定められている「内装制限」には注意が必要です。
    内装制限とは、室内に面する床や壁には燃えにくい材料を使用し、防火上支障がないようにするための規制です。床から1.2m以上の高さの床および天井について、仕上げ材として燃えにくい素材を使用することが定められており、お店の用途や規模によって使用するべき材料や内容制限の有無は異なります。

    また建築基準法と併せて注意したいのが消防法です。
    建築基準法と同じく燃えにくい材料の使用を求めるのにあわせて、排煙設備や消火設備、警報設備、避難設備などが適切な場所に設置されているのかの規制です。
    工事前後でそれぞれ必要な提出書類もあるため、忘れないように注意しましょう。



    ◇リノベーション業者の選定に注意する

    リノベーション業者によっては住宅リノベーション専門でおこなっているところもあります。店舗リノベーションを行っている業者なのか、自分の好きなテイストが得意な業者なのかを確認し、慎重に業者を選定しましょう。



    ◇予算や工期の見積もりを正確に行う

    店舗リノベーションは規模や希望内容によって金額が大きく異なります。その為、概算の見積もりした時点で決めてしまうと「最終的な金額が全然違う」という結果になりかねません。そういった事態を避けるために、自分の予算と希望内容が叶えられているのか、満足できるプランなのかをよく検討し、正確な見積もりを確認した上で判断しましょう。また、少しでも不明点があれば、後のトラブルを防ぐためにも担当者に聞くことをおすすめします。

  • 店舗兼住宅へのリノベーション

    費用を抑えながら自分のお店を持ちたいという方には、店舗兼住宅もおすすめです。店舗兼住宅へのリノベーションを行うメリットは下記の通りです。

     ①住まいと仕事の両立が可能になる 

    店舗兼住宅の最大のメリットはやはり仕事と家事・子育てがしやすいということです。特に小さなお子様がいたり、介護が必要な両親と同居している場合は近くで面倒をみることができるため両立もしやすいでしょう。



     ②生活費の節約や効率化が可能 

    店舗兼住宅は通勤時間や通勤費用がかからないため、効率的に働くことができます。また、別途家や店舗の家賃を払う必要がないため出費を抑えられ、節約にもなります。



    ここで一つ注意していただきたいのが将来のライフスタイルに合わせた設計をする必要があるということです。
    特に老後お店を閉めるとなった際に、店舗部分をどのように活用するのか考えておきましょう。将来的に店舗部分をリノベーションして居住スペースにしたり、店舗部分は人に貸し出して家賃収入を得るなんてことも可能です。
    将来「老後活用しづらい…」 「店舗貸し出したいけど動線的に難しい…」ということにならないように、予め計画をしておきましょう。

  • KULABOの店舗リノベーションの事例紹介

    KULABO 岡崎スタジオ

    愛知県岡崎市
    費用:6,500万円
    施工面積:495.60㎡


    既存のスタジオに「LABOスペース」という素材の実物やスケールを想像しやすくする仕組みが備わった場所を計画したKULABOの岡崎スタジオ。
    打合せスペースとして使用する円形スペースにはオーダーメイドのソファを設置しています。

    【画像の施工事例を見る】



    和室をリノベーションしてシフォンケーキ店をオープンした住宅事例"

    和室8畳が生まれ変わった夢のシフォンケーキ店

    愛知県みよし市/M様邸
    家族構成:ご夫婦
    費用:約900万円
    施工面積:16.5㎡


    一戸建て住宅の和室をリノベーションし、念願のシフォンケーキ店をOPEN。店に足を踏み入れれば、清潔感のある白い空間の中で、一際目立つ青いタイル貼りのカウンターがお客様をお出迎えします。

    【画像の施工事例を見る】



    倉庫をプライベートサロンへとリノベーションした住宅事例"

    倉庫を南米風平屋にリノベーション

    愛知県海部郡飛鳥村/M様邸
    費用:約2,000万円
    施工面積:66㎡


    持ち家の敷地内にある倉庫をプライベートサロンと、ママ友達と集まれるような開放的なリビングにリノベーション。
    サロンと家族が出入りする玄関を別々に設計し、どちらの動線からもトイレと洗面室に行きやすいよう間取りを入念に計画しました。サロンとリビングの間に廊下を設けることで、お互いの話し声が直接聞きづらくなるよう配慮がされています。

    【画像の施工事例を見る】

  • まとめ

    今回、店舗リノベーションのメリットや抑えておきたいポイントについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
    店舗リノベーションはブランドイメージの向上や新規顧客の獲得に繋がる一方、見積もりから計画までの間に気を付けたいポイントが多数あります。後悔のないリノベーションをするためにもまずは一度専門業者にご相談することをおすすめします。

    「物件はあるけどリノベの想像ができない…」 「今の家を店舗兼住宅に変えたい」という方は一度現地調査にてプロの目線で物件を拝見させていただければと思います。ご希望内容などをお伺いし、お客様に合わせたご提案をさせていただきます。
    店舗リノベーションをご検討中の方はどうぞお気軽にお問合せくださいませ。

このコラムの執筆者

KULABOのスタッフ

山内 翔太

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