リノベーション工事費以外にかかる費用って何?必要となる諸費用の解説
2022年11月27日
2024年11月12日
新しい住宅のカタチとして増えている「中古住宅+リノベーション」という選択肢。
実はリノベーション工事費以外にも費用が掛かる場合があることをご存じでしょうか。もし契約後にその事実が判明したら、いろいろと資金計画を見直さなければいけないことになります。
今回のコラムでは、このようなリスクを極力回避するために、リノベーション工事以外にかかる費用の例や目安金額についてお伝えします。リノベーションを計画中の方は是非参考にしてください。
CONTENTS
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リノベーション工事以外にかかる費用について知る!
リノベーションを行う際に必要となる費用は工事費を思い浮かべる方が多いと思いますが、忘れてはいけないのが工事費以外にかかる諸費用についてです。その中でも最低限抑えておきたいポイントとして5つご紹介します。
■融資借入時の諸費用(保証料、事務手数料、印紙代等)
自己資金以外でリノベーションの費用を工面するにはローンを組む選択肢があり、ほとんどの方がローンの利用を検討します。ローンを組む場合は、保証料や事務手数料、印紙代等の諸費用がかかることがあります。金額や内容については後ほど説明しますが、この部分もしっかりと目安金額を把握することが大事になってきます。
■名義変更の費用(所有権移転登記費用)
ローンを組んでリノベーションする際に、建物名義に融資を組む方の名義が入っていないといけません。そこで必要になるのが名義変更です。中古物件を購入したり不動産を贈与・相続した場合は、権利関係を明確にするためにも物件の名義変更を行います。このように所有者が移転したことを証明するためにおこなわれる登記を、所有権移転登記と呼びます。所有権移転登記を行えばローンを組めるようになりますが、登記の申請・手続きに費用がかかります。
■担保設定(抵当権設定登記費用)
所有権移転登記に加え、ローンを利用するときに必要になってくるのが抵当権設定登記です。抵当権とは、ローンを組む時に購入する物件に金融機関が設定することが出来る権利のことです。万が一ローンの返済が滞ってしまったら、金融機関が担保になった不動産を売却してお金を回収するというものになります。こちらの費用は、基本的に住宅ローン(有担保ローン)を利用する場合のお話になります。
■未登記物件の登録費用(表題登記の費用)
こちらはご実家をリノベーションする時にかかってくる可能性がある費用です。
ローンを組む場合、建物の登記がされている必要があります。金融機関は、権利関係が明確でない不動産に対して担保設定をすることができないからです。しかし古い建物の中には未登記のままになっている建物も存在し、そのような場合は未登記物件を登録する費用が発生するのです。必ずしもかかる費用ではないので、一度登記状況を調べてみる必要があります。
■仮住まいや引っ越しの費用
リノベーションは間取り変更を伴うような広範囲・大規模な工事になることがほとんどです。そのため現在住んでいる家をリノベーションするとなると、工事期間中だけ仮住まいしなければいけないケースも出てきます。工事規模によっては約3~5ヵ月ぐらいの期間、仮住まいをする必要が出てくるので、このような部分の出費も資金計画時に考慮しなければなりません。
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目安の金額帯について
それでは上記で述べた様々な諸費用は実際どれぐらいかかってくるのでしょうか。諸費用の目安は以下の通りです。
■融資借入時の諸費用(保証料、事務手数料、印紙代等):借入額による
金融機関や借入額によって金額は変わるというのが大前提にあります。
100万円の借入に対して2万円前後の保証料で計算し、事務手数料や印紙代等で別途10万円前後で想定することが一般的には多いです。
但し、最近ではこのような費用も融資に組み込める商品が増えてきたので、ローンの組み方次第で初期の支出を抑えることができます。
■名義変更の費用(所有権移転登記費用):10万円~
こちらは贈与の基本控除内で名義変更する場合の最低費用になります。
所有権移転の理由が売買、相続、贈与なのか、また不動産の評価額によって登記にかかる費用は異なります。状況次第では、全部名義を移転するとなると30万円前後かかることも。
※別途贈与税等についても考慮しないといけないケースが出てきます。
■担保設定(抵当権設定登記費用):借入額による
抵当権の設定費用も借入額によって変動します。
あくまでも目安の1つですが、2,000万円の借入で約20万円前後の費用がかかります。こちらも最終的には借入想定額を決めた時に、担保設定にいくらかかるのか目安の金額を把握するのが大切です。
■未登記物件の登録費用(表題登記の費用):状況による
土地、建物の未登録状況がどの程度かによりかかる費用が変わります。
建物状況にもよりますが、建物だけの表題登記であれば10~20万円でおさまることもあります。しかし、土地自体の登記もしっかりできていない場合だと100万円を超える例もあります。
■仮住まいや引っ越しの費用:建物や工事期間による
仮住まいは賃貸に住むのと近いイメージになります。
例えば家賃6万円の仮住まいに4ヵ月住むとした時、下記のような費用がかかります。
≪費用例≫
家賃:6万円×4ヵ月
敷金・礼金:物件による
仲介手数料・火災保険料・鍵交換等:10万円~
引越し費用:荷物の量や引っ越し時期にもよるが15万円~
仮住まい先にもよりますが、最低でも50万円~と想定しておきましょう。
物件購入からリノベーションする場合、ご実家をリノベーションする場合など状況次第で発生する費用は異なります。また、物件によっても金額帯が大幅に変動するため、最終的には専門家に相談しておくこと重要です。 -
まとめ
今回はリノベーション工事費以外にもかかる費用についてお伝えしました。
以前、コラム「親名義の実家をお得にリフォームする方法」でもお伝えしたように、実際には他にも気をつけないといけない事はあります。
リノベーションを計画する上で間取り・使い勝手・デザイン性も重要ですが、一番重要となるのが"リノベーション後の暮らし"です。無理な資金計画や予想外の出費が発生したことにより、その後の生活が大変になるといった事態は避けなければなりません。
心から満足できるリノベーションを進められるよう、このような部分についてもKULABOではしっかりとフォローさせていただいております。リノベーション工事費以外でかかる費用について金融機関や司法書士の方への確認だけでなく、ご紹介をさせて頂くことも可能です。「リノベーションしたいけどいくら費用がかかるの?」「どのように資金計画を立てればいいの?」と疑問をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。いつでもご相談お待ちしております!
このコラムの執筆者
青木 一晃