【マンションリノベ】どれにする?住まいの印象を変える床材6選
2023年04月20日
2024年06月15日
リノベーションで住まいの雰囲気を一新したいとなった時、おすすめなのが床の張り替え!
インテリアや照明、建具でも、もちろん雰囲気は変わりますが、やはり多くの面積を占める床や壁、天井の色や素材がベースの決め手になるかと思います。そのうち、壁や天井は白やベージュ、グレー等落ち着いた色味がベースとして選ばれる事が多いですが、壁や天井と違って常に人が触れている床材選びは住まいづくりで非常に重要な要素になります。
今回はマンションリノベの床の張り替えでよく使われる、床材の種類とその特徴をご紹介していきます。リノベーションをご検討中の方は是非ご覧ください。
CONTENTS
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マンション用の床材
マンションは集合住宅ですので、戸建住宅と違って周囲の方への音が響かないように、居室を遮音性のある床構造にすることが求められます。遮音性能はマンションの管理規約上で定められていることがほとんどです。この遮音性能に関する基準値がL値と呼ばれる数値で定められており、数値が小さい方がより遮音性能が良いことを示しています。一般的なマンションではL値=45以下の等級を求められることが多いです。
畳や下地にフェルトを用いたカーペットは遮音性能が高く、洗面室、脱衣室、収納等の住人が長時間にわたって継続使用しない非居室は、遮音性能を求められない場合もあります。居室で畳やカーペット以外の床材を採用したいとき、L-45の遮音等級を有している施工内容は主に下記のような工法があります。
▶直貼り工法
マンションの構造体にあたる床に、遮音性のあるクッションが付いた木質フローリングを貼り付けていく工法です。一般的な工法で、もともとのマンションの床構造も直貼り工法で建築されていることが多いです。
広く普及した工法で安心感のある施工となる一方で、選べる床材の色柄のバリエーションが少ないため、理想に近しい床材が無い場合もあります。
▶二重床工法
遮音性能のあるゴムがついた支持脚で床材の下地となるボードを持ち上げて、その上に床材を貼ります。この二重床構造自体で遮音が可能なため、床材の制限も無くなります。選べる床材の色柄が豊富になり、施工範囲によっては段差のない住まいにしたり、水回りの配管や電気配線を二重床の中で回すことも可能です。一方で、費用が必要であったり、床が上がることで天井高が低くなったりする場合もあります。
このほか、既存の防音構造(直貼り工法等)があることを逆手にとって、一部床材なら上貼りをすることも出来ます。費用を抑えることも出来ますが、既存の床の状況が良いことが条件であり床鳴りや不陸(表面の凹凸)がでることがあります。
最終的にはマンションごとの管理規約や理事会の判断となりますが、KULABOでは管理会社様への工事確認を行いながらサポートいたします。
続いて、フローリングの表面仕上げに焦点を当てながら、LDKによく採用される床材を紹介します。 -
床材の種類①無垢フローリング
無垢フローリングは天然の木材のみで製造された床材で、木本来の風合いや肌触りを体感できます。
〈メリット〉
・木の柔らかさや温かみがあり、歩行感が良い
・経年変化を楽しめる
・多少の傷は補修可能
・調湿性、断熱性に長けている
〈デメリット〉
・湿度や温度によって熱膨張、収縮が起こりフローリング同士の間に隙間ができてしまう
・メンテナンスが大変
・傷やヒビが入りやすい
・価格が高い
〈施工方法〉
直貼り工法、二重床工法 -
床材の種類②挽板フローリング
挽板フローリング(合板フローリング)は、表面のみを本物の木を貼って仕上げます。ノコギリ等で2~3㎜の厚さにした木材を貼り付けています。
〈メリット〉
・無垢材と比較すると、安価に木本来の風合いを楽しむことができる
・突板より分厚い板で仕上げるため、より凹凸や感触が無垢材に近い
〈デメリット〉
・合板フローリングの中では高級
・無垢フローリング同様にメンテナンスが必要となる
〈施工方法〉
直貼り工法、二重床工法 -
床材の種類③突板フローリング
突板フローリング(合板フローリング)も挽板フローリング同様、表面のみ本物の木を貼って仕上げます。0.3~1㎜の厚さの木材を貼り付けます。
〈メリット〉
・無垢や挽板より手軽に木本来の肌触りを実現できる
・天然木部分が少ないことで、膨れや縮みが少ない
・表面の塗装によっては手入れが楽
〈デメリット〉
・ちょっとした傷で表面の木がめくれて基材が見えてしまう
・無垢、挽板ほどの質感は出ない
・塗装がはがれると劣化する
〈施工方法〉
直貼り工法、二重床工法 -
床材の種類④シートフローリング
シートフローリング(合板フローリング)は木目や石目をプリントしたシートを合板に貼って仕上げたフローリングです。一般的な住宅に広く普及しています。
〈メリット〉
・デザインの種類が豊富(印刷技術も向上している)
・低価格
・膨れや縮みが少なく、メンテナンスしやすい
・汚れに強くお子様やペットがいる家庭にも採用しやすい
〈デメリット〉
・天然木のような質感はない
・天然木ほどの柔らかな歩行感はない
・防水性はあるが、シートが劣化すると補修できない
〈施工方法〉
直貼り工法、二重床工法 -
床材の種類⑤フロアタイル
フロアタイル(非木材)は商業施設や店舗などにもよく使われている、強度の高い塩化ビニル系の床材です。近年は技術向上に伴い、色柄や表面の加工の品質が良くなっており、住宅用にも利用されています。
〈メリット〉
・耐水性、防汚性、清掃性に長けている
・デザインのバリエーションが非常に豊富
・傷やへこみに強い
・材料自体は安価
・フロアタイル1枚ごとの交換が可能なためメンテナンス性に優れている
〈デメリット〉
・硬く冷たい歩き心地
・防音性がないため、マンションに貼るには二重床構造が必要
〈施工方法〉
二重床工法 -
床材の種類⑥カーペット
住宅の床材として昔から採用されてきた床材。近年は機能的な側面も充実し、デザインも大変豊富なことから不変的な人気があります。
〈メリット〉
・色柄が非常に豊富
・優しい歩行感
・断熱性が高い
・コストが抑えられる場合もある
〈デメリット〉
・掃除やメンテナンスがしづらい
・夏場の使い心地は素材次第
〈施工方法〉
フェルトグリッパー工法(下地にフェルトを用いた工法) -
まとめ
本コラムでは様々な床材の種類や工法をご紹介してきました。しかし、どの床材が適切なのか、理想の床材はどんなイメージなのか、水回りの配管をどう処理するか、マンションの実状がどうなっているかによって、提案内容はかわってきます。メリット・デメリットに合わせて貼り分ける、使用用途や予算によって調整する等、柔軟に空間を設計していくことも可能です。
KULABOでは、ご希望のデザインのスタイルに合わせたリノベーションのご提案が出来ますので、是非お気軽にご相談くださいませ。
また今回は床材に焦点を当てましたが、実際の打合せでは壁材、照明、建具、コンセントの位置に至るまで細かい打ち合わせをしていきます。これらを可能にしているのはLaboスペースをはじめとした、お客様とイメージを共有する手段や技術です。
KULABOを通じて、リノベーションをより身近なものに感じていただけると嬉しく思います。
このコラムの執筆者
菅野 雅之