家族で住み継ぐ、実家リノベーション。メリットや注意点、お得な補助金制度をご紹介

2024年11月18日

実家の築年数が経ち建物全体の劣化が目立つ頃、実家を”建て替える”か”リノベーション”するか迷われるお客様が多くいます。今回は実家をリノベーションするという観点からメリットや考えておきたいポイント、お得にリノベーションできる補助金制度についてご紹介していきたいと思います。
これを機に将来を見据えて親世帯と同居する二世帯住宅を検討してみてもいいですね。

  • 実家リノベーションのメリット

     メリット 

    ・建替えよりも安く、早く工事をすることが可能

    建替えの場合、全体費用の大きな割合を占める「屋根」や「基礎」、「外壁」、「構造」などを一から建築することになる一方、実家をリノベーションする場合、既存の建物をそのまま使うことができるため大きな出費を抑えることができます。
    更に、工期も短縮することができるため、規模によっては居住したままでも工事が可能になります。

    ・売却になっても買い手が見つかりやすい

    もしご家庭の都合により、お住まいを手放さないといけなくなっても、リノベーション済の物件は買い主様が早い段階で見つかりやすいです。買い主様にとっても、リノベーション済できれいな物件のほうが住み始めてからの出費を抑えることができ、更に購入してすぐ住み始めることができるため、購入を検討する際に好印象となることが考えられます。

    ・思い出を残したまま、新しいカタチで暮らせる

    実家は子供のころから長年過ごしてきて、そこでの経験や思い出が数えきれないほどあるかと思います。それらを思い出す場所や資材はあえてそのまま残しながら暮らしやすいカタチにリノベーションすることが可能です。間取りやデザインが変わっても、ふとした瞬間に昔の記憶がよみがえる素敵な住まいになるでしょう。



  • 実家リノベーションの注意点

     注意点 

    ・構造体によってできる・できないリノベーションがある

    日本の多くの住宅が木材や鉄骨を使用しており、「筋交い」や「耐力壁」などを用いて耐震性能を保っているため、家の至る箇所に「無くしてはいけない柱や壁」が存在します。「せっかくリノベーションするなら開放的な空間づくりをしたい」と思う方もいると思いますが、構造耐力において必要な柱や壁を取り払ってしまうと、地震が発生した時や日常生活を送る上で、建物が倒壊してしまう危険性が高まってしまいます。リノベーションをする際には必ず制限が発生することを念頭に、計画を進めることがおすすめです。

    ・築年数によっては耐震工事が必要

    1981年6月1日以降に建築された建物は「新耐震基準」といい、震度6強~震度7程度の揺れでも倒壊しないような耐震性能を備えております。一方、それ以前に建築された建物は、震度5強程度の揺れでも建築物は倒壊しないものの、破損した場合は補修することで生活が可能になる構造基準とされています。耐震に不安がある場合、多くの方が耐震工事を実施されていますが、やはりその分の費用は発生してしまいます。

    ・二世帯住宅にするならしっかりとルールを決める

    親世帯と一緒に住むために実家をリノベーションする方も増えてきています。同じ建物内で生活することで、"家事や育児を手伝ってもらえる"や"老後病気やケガをした時に助けてもらえる"というメリットがあります。近くに助けを呼ぶことができる大人がいると、身体的だけでなく精神的な余裕を持つことにもつながります。

    しかし事前にお互いの暮らしのルールを確認し、間取りや設備を決めておかないと後々トラブルに繋がる可能性もあります。計画を進める際には親世帯と子世帯でしっかり話し合い、お互いが納得した上で計画を進めることをお勧めします。



  • 実家リノベーションで考えるポイント

    ①バリアフリー化

    実家リノベーションで考えたいポイントの一点目が”バリアフリー化”です。
    二世帯で暮らすとなった場合、両親が高齢になっても暮らしやすいお家づくりをする必要があります。
    【例】
    ・階段や浴室、廊下に手すりをつける
    ・段差をなくす
    ・ドアを引き戸にする

    ②ヒートショックを防ぐ

    二点目に考えたいポイントは”ヒートショックを防ぐ”ということです。
    ヒートショックとは急激な温度変化により血圧が大きく上下することで、心筋梗塞や不整脈、脳出血・脳梗塞などの発作を起こしてしまうことです。
    主に65歳以上の高齢者高血圧や糖尿病などの生活習慣病の薬を飲まれている方が起こしやすいと言われています。
    しかしそもそも築年数の古い建物は断熱性能が低いため、高齢でなくても事故につながってしまったり、光熱費が無駄にかかってしまう可能性があるので下記のようなヒートショック対策をすることをおすすめします。

    ・脱衣室に暖房設備をつける

    湯舟から立ち上がった時とお風呂場から脱衣所に移動する時の温度の変化はヒートショックが起きやすくなっています。
    その為、なるべく温度の差が出ないように脱衣室に暖房設備を設置すると良いでしょう。

    ・断熱リノベ

    壁や床に断熱材を入れることで、熱を逃がしにくくするためのリノベーションです。
    断熱リノベには【外断熱工法】と【内断熱工法】の二種類があります。建物の構造によって向いている工法は異なりますので、それぞれの特徴を比較しながら施工会社と相談した上で決めましょう。
    詳しくは下記コラムでもご紹介していますので是非ご覧ください。


  • お得にリノベーションする補助金制度

    ここまで実家をリノベーションするメリットやポイントについてお話ししましたが、実はお得にリノベーションする方法があることをご存じでしょうか。
    特にバリアフリー化や断熱リノベーションには補助金が適用される場合があります。これからご紹介する補助金制度を理解し、お得にリノベーションを行いましょう。

    《バリアフリー化における補助金制度》


    1.介護保険制度

    高齢者介護に対する、「要支援」または「要介護1∼5」と認定された人が住む住宅で、手すりの取り付けなど住宅リフォームが必要な人に対して自治体が補助する制度
    [上限]
    リフォーム費用のうち20万円を上限とした、その9割(18万円)を補助

    2.子育てエコホーム支援事業

    手すりの設置や段差の解消、廊下幅の拡張などバリアフリー改修にかかる費用を補助する事業
    [上限]
    手すりの設置  :1戸あたり5,000円
    段差解消    :1戸あたり7,000円
    廊下幅の拡張  :1戸あたり28,000円
    衝撃緩和畳の設置:1戸あたり20,000円


    《断熱リフォームにおける補助金制度》


    1.既存住宅における断熱リフォーム支援事業(2024年1月公募開始∼)

    15%以上の省エネ効果が認められる断熱性能の高い建材を使用して、省エネ効果が認められる断熱リフォームを行った場合に費用の一部が助成される事業
    [上限]
    1戸あたり120万円を上限額とし、補助対象費用の3分の1以内が補助

    2.子育てエコホーム支援事業

    子育て・若者夫婦世帯による住宅の省エネ改修などのリフォームを補助する制度
    [上限]
    子育て・若者夫婦世帯(※):1戸あたり最大30万円
    その他の世帯       :1戸あたり最大20万円
    ※18歳未満の子を有する世帯もしくは夫婦のいずれかが39歳以下の世帯

    3.長期優良住宅化リフォーム推進事業

    良質な住宅のストックの形成や、子育てしやすい生活環境の整備等を図るため、既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対する支援を行う事業
    [上限]
    下記要件別にそれぞれ補助制度額が定められています。
    ①長期優良住宅認定を取得しないものの、一定の性能向上が認められる場合:1戸あたり100万円
    ②長期優良住宅認定を取得した場合:1戸あたり200万円
    ③②のうち、さらに省エネ性能を高めた場合:1戸あたり250万円

    上記のように、バリアフリー改修や断熱リフォームを行う場合には様々な補助金制度があります。
    また、ここで1つ注意しておきたいことは"親名義のままリノベーションをしてしまう"ということです。
    実は親名義のままリノベーションを行うと、リノベーションにかかるローン減税が適用できなかったり、贈与税が発生するなどの課税や問題が生じ、損をする場合があります。
    下記コラムでは親名義のままリノベーションする際の注意点やお得にリノベーションをおこなうポイントについてご紹介していますので、是非ご覧ください。

  • 実家リノベーションした施工事例のご紹介

    TVボードとキッチンが一緒⁉世界に一つだけのオリジナル造作家具

    エリア:愛知県名古屋市中川区
    費用:約1,900万円(2023年施工)
    施工面積:170㎡
    築年数:築25年
    家族構成:ご夫婦+お子様3人+祖母


    お母様との同居のため実家を二世帯住宅へリノベーション。3階にあった洋室3部屋を子世帯の生活スペースとし、軽食が作れるようなオリジナルミニキッチンを造作し設置しました。


    間取り図:Before 8LDK▷After 2LDK+4D
    実家リノベーションした事例のリノベーション前間取り図
    実家リノベーションした事例のリノベーション後間取り図

    【画像の施工事例を見る】




    実家リノベーションした施工事例"

    家事動線が完璧なモダンブリックスタイルの二世帯住宅

    エリア:愛知県名古屋市緑区
    費用:約2,850万円(2022年施工)
    施工面積:150㎡
    築年数:築26年
    家族構成:ご夫婦+お子様2人+祖母


    増築をせず、もともとの家の空間を最大限に有効活用した間取り。1階はキッチン~パントリー~廊下~ミニ洗面、2階はランドリールーム~洗面~脱衣室~WICを繋げ、施主様にとって最適な家事動線を確保するよう実家をリノベーションしました。


    間取り図:Before 5LDK▷After 4LDK+LDK+WIC+ランドリールーム+納戸
    実家リノベーションした事例のリノベーション前間取り図
    実家リノベーションした事例のリノベーション後間取り図

    【画像の施工事例を見る】




    実家リノベーションした施工事例"

    あの頃の面影を残し未来へ繋ぐ家

    エリア:愛知県豊田市
    費用:約3,470万円(2022年施工)
    施工面積:162.5㎡
    築年数:築30年
    家族構成:ご夫婦+お父様


    既存のTVボードや掘り炬燵、立派な大黒柱、玄関収納などはそのまま活かしながら、新しい暮らしができるよう実家をリノベーション。
    移りゆく暮らしの中にも、各所に昔の思い出や趣を感じられる要素を取り入れることで、懐かしさや面影が今もなお息づきます。


    間取り図:Before 3LDK▷After 3SLDK+WIC
    実家リノベーションした事例のリノベーション前間取り図
    実家リノベーションした事例のリノベーション後間取り図

    【画像の施工事例を見る】

  • 思い出を継ぐ素敵な住まいへ

    今回のコラムでは実家をリノベーションするメリットや注意点、補助金制度についてご紹介をさせていただきました。
    KULABOでは一人一人のお客様にきちんと向き合い、寄り添ったご提案をさせていただくことを全スタッフ心がけております。今後リノベーションでお悩みになられましたら、是非KULABOにご相談ください。

このコラムの執筆者

KULABOのスタッフ

西垣 達貴

Contentsコンテンツ